『無益な殺人未遂への想像上の反響 ギリシャ・ミステリ傑作選』ディミトリス・ポサンジス編/橘孝司訳(竹書房文庫)★★☆☆☆

『無益な殺人未遂への想像上の反響 ギリシャ・ミステリ傑作選』ディミトリス・ポサンジス編/橘孝司訳(竹書房文庫) 『Ελληνικά Εγκλήματα 5』επιμέλεια Δημήτρη Ποσάντζη,2019。 珍しいギリシャ・ミステリのアンソロジーではありますが、「傑作選」という…

『サン゠フォリアン教会の首吊り男』ジョルジュ・シムノン/伊禮規与美訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)★★★☆☆

『サン゠フォリアン教会の首吊り男』ジョルジュ・シムノン/伊禮規与美訳(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『Le Pendu de Saint-Pholien』Georges Simenon,1931。 『サン・フォリアン寺院の首吊人』の新訳です。 刊行順では『死んだギャレ氏』と共に1番目、執筆…

『幸せな家族 そしてその頃はやった唄』鈴木悦夫/高田美苗・挿絵(中公文庫)★☆☆☆☆

『幸せな家族 そしてその頃はやった唄』鈴木悦夫/高田美苗・挿絵(中公文庫) 『The Blessed Family ......And the Old Dear Song』1989年。 全国の子どもにトラウマを植えつけたという触れ込みの児童文学が復刊されました。幸せな家族がテーマのCM撮影を…

『教場0 刑事指導官・風間公親』長岡弘樹(小学館文庫)★★☆☆☆

『教場0 刑事指導官・風間公親』長岡弘樹(小学館文庫) 教場シリーズ三作目は、『教場』以前――風間の刑事時代の物語です。『教場2』が期待外れだったので本書を読もうか迷ったのですが、倒叙ものとあっては読むしかありません。出来不出来の差が激しい作…

『比翼』泡坂妻夫(光文社文庫)★★★☆☆

『比翼』泡坂妻夫(光文社文庫) テーマごとに四部に分けられた短篇集。職人・奇術・恋愛・ホラー・人情・謎解き等、盛り沢山です。 「一の部屋/職人気質」「風神雷神」(1996)★★★★☆ ――新田は弘子の着物にある黄色い輪に気づいた。輪ゴムが原因だった。浸…

『大いなる眠り』(5~8)レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)

『大いなる眠り』(5~8)レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『The Big Sleep』Raymond Chandler,1939年。 マーロウは近所の書店に聞き込みして、ガイガーの店の店員が古書に無知であることを再確認する。客が捨てた包みを…

『メグレと若い女の死〔新訳版〕』ジョルジュ・シムノン/平岡敦訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)★★★★☆

『メグレと若い女の死〔新訳版〕』ジョルジュ・シムノン/平岡敦訳(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『Maigret et la jeune morte』Georges Simenon,1954年。 映画化に合わせての新訳です。シリーズ長篇第45作。カバーあらすじには「代表作」と書かれていますが…

『奇跡の男』泡坂妻夫(光文社文庫)★★★☆☆

『奇跡の男』泡坂妻夫(光文社文庫)「奇跡の男」(1986)★★★★☆ ――袋くじの特賞当選者が見付かった。和来友里。三十七歳の男性だ。取材に行った白岩百合子は、その男のことを思い出した。「和来さん、あなたは二月前にも奇跡の人だったんじゃありませんか?…

『教場2』長岡弘樹(小学館文庫)★★☆☆☆

『教場2』長岡弘樹(小学館文庫) 親本は2016年刊行。タイトルまんま、教場シリーズ第二作です。第一作と比べると、人間ドラマ度が薄まり、取って付け感が強まっていました。 「第一話 創傷」(2014)★★☆☆☆ ――第百期短期課程警察手帳貸与式。校長から手帳を…

『本と鍵の季節』米澤穂信(集英社文庫)★★☆☆☆

『本と鍵の季節』米澤穂信(集英社文庫)「913」(2012)★★★☆☆ ――その日の図書当番は僕と松倉詩門の二人だった。ほかの生徒の姿はなかった。返却箱に入っていた文庫本は、表紙が折れて泥だらけだった。僕たちは汚れを拭いて、分類記号「913」と著者名の頭文…

『大いなる眠り』(3~4)レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)

『大いなる眠り』(3~4)レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『The Big Sleep』Raymond Chandler,1939年。 ヴィヴィアンに呼ばれたマーロウは、将軍の依頼はラスティー探しなのではと探られるが、ヴィヴィアンの高飛車な態…

『大いなる眠り』(1~2)レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)

『大いなる眠り』(1~2)レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『The Big Sleep』Raymond Chandler,1939年。 2014年刊行。カバーデザイン:坂川栄治+坂川朱音(坂川事務所)。 創元推理文庫版は1959年初版。カバー撮影:板橋…

『リカーシブル』米澤穂信(新潮文庫)★★★★☆

『リカーシブル』米澤穂信(新潮文庫) 親本2013年刊行。 再読のはずなのですが内容をすっかり忘れていました。 中学一年の越野ハルカは家庭の事情で田舎に引っ越して来ました。新しい環境への不安、血の繫がっていない弟への苛立ち、父親の再婚相手への引け…

『死と奇術師』トム・ミード/中山宥訳(早川書房ポケミス1990)★★☆☆☆

『死と奇術師』トム・ミード/中山宥訳(早川書房ポケミス1990) 『Death and the Conjuror』Tom Mead,2022年。 ある夜、精神科医リーズ博士の家を怪しげな男が訪れ、二人きりで話をしたあと男は立ち去った。その後にかかってきた電話に博士が出たのを、使…

『不必要な犯罪』狩久(幻影城ノベルス)★★★☆☆

『不必要な犯罪』狩久(幻影城ノベルス) 1976年。 アンカットフランス装。見た目はお洒落だけどペーパーナイフなんて持ってないから読みづらい。 著者(語り手)がしばらく筆を断っていたのは、殺人事件に関わって人の心に踏み入ってしまったうえに事件を発…

『人間動物園』連城三紀彦(双葉文庫)★★★☆☆

『人間動物園』連城三紀彦(双葉文庫) 親本2002年刊行。 娘が誘拐された――通報を受けた発田と朝井が駆けつけたところ、娘のように可愛がっている飼い犬がいなくなったという人騒がせな出来事があった。ところが翌日、そのおばさん――坂上礼子からまた通報が…

『ボーンヤードは語らない』市川憂人(東京創元社)★★★☆☆

『ボーンヤードは語らない』市川憂人(東京創元社) 『The Boneyard Never Speaks』2021年。 マリア&漣シリーズ第四作にして初の短篇集です。 「ボーンヤードは語らない」(2020)★★★★☆ ――A州ツーソン市郊外の空軍基地には『飛行機の墓場』という異名があ…

『犬はどこだ』米澤穂信(創元推理文庫)★★★★☆

『犬はどこだ』米澤穂信(創元推理文庫) 『The Citadel of the Weak』2005年。 生まれ故郷の八保市で犬捜し専門の調査事務所を開いたというのに、紺屋長一郎に舞い込む依頼は犬とは無関係のものばかりでした。隣接する小伏町から〈紺屋S&R〉を訪れた佐久…

『黒いハンカチ』小沼丹(創元推理文庫)★★★☆☆

『黒いハンカチ』小沼丹(創元推理文庫) 『Black Handkerchief』1958年。 小沼丹なのでミステリとしては期待していないし、実際その通りだなと思っていたら、意外とツボを押さえていたりするから油断なりませんが、どの話もあっさり終わってしまうので物足…

『ガラスの鍵』ハメット/池田真紀子訳(光文社古典新訳文庫)★★★★★

『ガラスの鍵』ハメット/池田真紀子訳(光文社古典新訳文庫) 『The Glass Key』Dashiell Hammett,1931年。 ハメットの第四長篇。サム・スペイドでもコンチネンタル・オプでもなく、それどころか探偵でもない男が主役を務めます。つまりはこのネッド・ボー…

『マクベス夫人症の男』レックス・スタウト/山本博訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)★★☆☆☆

『マクベス夫人症の男』レックス・スタウト/山本博訳(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『Please Pass the Guilt』Rex Stout,1973年。 ネロ・ウルフものは謎解きミステリではなくて、言ってみれば刑事ものの連続ドラマのようなものだと思うのですが、アーチーと…

『無伴奏』太田忠司(創元推理文庫)★★★☆☆

『無伴奏』太田忠司(創元推理文庫) 『Unaccompanied』2011年。 阿南省吾は姉・仁恵から父・太市危篤との報せを受けて実家に戻ったが、実際には認知症の父親の介護をさせようという兄・拓馬が企んだものだった。ヘルパーに頼むのは体裁が悪いという兄に対し…

『天国の破片(かけら)』太田忠司(創元推理文庫)★★☆☆☆

『天国の破片《かけら》』太田忠司(創元推理文庫) 『A Little Piece of Heaven』1998年。 コンビニでアルバイトをしていた阿南は、強盗の少年を説得して五十万円を貸した。犯罪を未然に防いだはずだった――。だが後日、再びコンビニ強盗が発生し、少年は店…

『ポンド氏の逆説』G・K・チェスタトン/南條竹則訳(創元推理文庫)★★★☆☆

『ポンド氏の逆説』G・K・チェスタトン/南條竹則訳(創元推理文庫) 『The Paradoxes of Mr. Pond』G. K. Chesterton,1936年。 南條竹則氏による新訳版。『コリアーズ・ウィークリー』に掲載された「名前を出せぬ男」を除いて、すべて『ストーリーテラー…

『七度狐』大倉崇裕(創元推理文庫)★★★☆☆

『七度狐』大倉崇裕(創元推理文庫) 『Fox That Played Tricks 7 Times』2003年。 1955年、杵槌村の公民館での口演を終えた春華亭古秋の楽屋を、佐藤知恵が訪れた。/同じ日の夜、祖父を探しに家を抜け出し公民館に向かった少女・亮子は、狐火を見て気を失…

『正月十一日、鏡殺し』歌野晶午(講談社文庫)★★★★☆

『正月十一日、鏡殺し』歌野晶午(講談社文庫) 解説に引用されたノベルス版の著者のことばによると、「あえて探偵を廃し あえてトリックを抑え あえて論理合戦を殺《そ》ぎ落とし 絢爛《けんらん》豪華な謎もなく 物語はあくまで 日常で しかし精神は本格 …

『ジャーロ』No.9 2002.AUTUMN(光文社)

『ジャーロ』No.9 2002.AUTUMN(光文社) 創刊2周年特大号と銘打たれています。 「追悼特集 安らかに、ヘンリー・スレッサー」木村仁良 欧米では主要紙に死亡記事が掲載されなかったそうです。寂しい気もしますが、一昔前のショートショート作家というとそん…

『ジャーロ』No.4 2001.SUMMER(光文社)

『ジャーロ』No.4 2001.SUMMER(光文社) 当時麻耶雄嵩の新作「白幽霊」だけ読んで積ん読していたものをようやく読みました。 「巻頭インタビュー Hello GIALLO」ヘンリー・スレッサー 「気に入った売り家」のアイデア元について話してくれていますが、本誌…

『マスグレイヴ館の島』柄刀一(原書房)★★☆☆☆

『マスグレイヴ館の島』柄刀一(原書房) 2000年刊行。 わたし一乗寺慶子は二年前に父母をなくし、親代わりの筧フミさんにお世話になっている。アガサ伯母さんが幹部を務める〈英国シャーロック・ホームズ・ソサエティ〉で働いている。去年クリスマスパーテ…

「神国崩壊」獅子宮敏彦、「メェゾン・ベルビウの猫」椿實、「夕べにはパズルめいて」城平京、「明智小五郎の黄昏――誰が明智小五郎を殺したか?」「傀儡のように踊れ――江戸川乱歩『目羅博士』試論」佳多山大地(『ミステリーズ!』02、『創元推理』18・6・9)

「神国崩壊」獅子宮敏彦、「メェゾン・ベルビウの猫」椿實、「夕べにはパズルめいて」城平京、「明智小五郎の黄昏――誰が明智小五郎を殺したか?」「傀儡のように踊れ――江戸川乱歩『目羅博士』試論」佳多山大地(『ミステリーズ!』02、『創元推理』18・6・9…


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