『奇商クラブ』G・K・チェスタトン/南條竹則訳(創元推理文庫)★☆☆☆☆

『奇商クラブ』G・K・チェスタトン/南條竹則訳(創元推理文庫) 『The Club of Queer Trades』G. K. Chesterton,1905年。 新訳版。チェスタトンの著作としてはかなり初期の作品です。強いて言えばユーモア小説ということになるのでしょうが、ドタバタが…

『日曜は憧れの国』円居挽(創元推理文庫)★★★☆☆

『日曜は憧れの国』円居挽(創元推理文庫) 『Sanday Quartet』Van Madoy,2016年。 カルチャー教室で出会った学校も性格も違う中学二年生4人が遭遇する日常の謎5篇。『10月はたそがれの国』みたいなタイトルですが、「憧れの国」とはカルチャー教室を主宰…

『刑事コロンボ 13の事件簿――黒衣のリハーサル』ウィリアム・リンク/町田暁雄訳(論創社 論創海外ミステリ108)★★★☆☆

『刑事コロンボ 13の事件簿――黒衣のリハーサル』ウィリアム・リンク/町田暁雄訳(論創社 論創海外ミステリ108) 『The Columbo Collection』William Link,2010年。 刑事コロンボの脚本家であるウィリアム・リンクによるコロンボものの短篇集。限定版付属の…

『矢上教授の夏休み』森谷明子(祥伝社文庫)★☆☆☆☆

『矢上教授の夏休み』森谷明子(祥伝社文庫) 2018年初刊。『矢上教授の「十二支考」』改題。 大学のレポートのテーマに十二支を選んだ御牧咲は、十二支にちなんだ十一の神社が町を守るように囲んでいるこぶし野町に来ていました。その町で日常の謎から殺人…

『一の悲劇』法月綸太郎(祥伝社文庫)★★★☆☆

『一の悲劇』法月綸太郎(祥伝社文庫) 1991年初刊。法月綸太郎シリーズの第四作。 誘拐被害者の父親である山倉史郎の一人称で綴られています。タイトルの一とはその一人称およびダイイング・メッセージに由来するようです。 広告代理店部長の山倉史郎の職場…

『シャーロック・ホームズの帰還』アーサー・コナン・ドイル/延原謙訳(新潮文庫)★★★☆☆

『シャーロック・ホームズの帰還』アーサー・コナン・ドイル/延原謙訳(新潮文庫) 『The Return of Sherlock Holmes』Arthur Conan Doyle,1905年。 「空家の冒険」(The Adventure of the Empty House,1903)★★☆☆☆ ――ロナルド・アデヤ卿殺害事件の調書を…

『されば愛しきコールガールよ 私立探偵パーデュー・シリーズ①』ロス・H・スペンサー/田中融二訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)★☆☆☆☆

『されば愛しきコールガールよ 私立探偵パーデュー・シリーズ①』ロス・H・スペンサー/田中融二訳(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『The DADA Caper』Ross H. Spencer,1978年。 何かのミステリ・ベスト本で紹介されていて、短い章のすべてにアンダーウッドじい…

『プラスマイナスゼロ』若竹七海(ポプラ文庫)★★★★☆

『プラスマイナスゼロ』若竹七海(ポプラ文庫) 葉崎市シリーズ第5作。ピュアフル版は2008年ジャイブ版に書き下ろし「卒業旅行」を加えたもの。ポプラ文庫の新装版にはそれに加えてさらに書き下ろし掌篇「潮風にさよなら」が収録されています。 容姿端麗で…

『ふたたび赤い悪夢』法月綸太郎(講談社ノベルス)★★★☆☆

『ふたたび赤い悪夢』法月綸太郎(講談社ノベルス) 著者あとがきによれば、『頼子のために』の続編であり、『頼子のために』『一の悲劇』『ふたたび赤い悪夢』で三部作を成し、さらには『雪密室』の後日談という話です。 なるほど登場人物とその過去の因縁…

『石の繭 警視庁殺人分析班』麻見和史(講談社文庫)★★★☆☆

『石の繭 警視庁殺人分析班』麻見和史(講談社文庫) シリーズタイトルの「殺人分析班」とは、警視庁捜査一課第十一係のメンバー5人が捜査会議では出来ない推測や議論を、居酒屋で話し合う集まりにつけた名前です。 主人公は新人刑事の如月塔子。病死した警…

『猫島ハウスの騒動』若竹七海(光文社文庫)★★☆☆☆

『猫島ハウスの騒動』若竹七海(光文社文庫) 初刊2006年。 猫ばかりの島、通称・猫島。高校生の虎鉄は海岸でナイフを突き立てられた猫の剥製を見つける。たまたま観光で島を訪れていた葉崎署の刑事・駒持は、猫アレルギーに苦しみながらも事件の背後に何か…

『秘密(下)』ケイト・モートン/青木純子訳(創元推理文庫)★★★☆☆

『秘密(下)』ケイト・モートン/青木純子訳(創元推理文庫) 『The Secret Keeper』Kate Morton,2012年。 ローレルは事件について弟のジェリーに相談するとともに、ヴィヴィアンについて調査を進めてゆきます。そうして明らかになるドリーの噓、ヴィヴィ…

『秘密(上)』ケイト・モートン/青木純子訳(創元推理文庫)★★★★★

『秘密(上)』ケイト・モートン/青木純子訳(創元推理文庫) 『The Secret Keeper』Kate Morton,2012年。 ケイト・モートンの第四作。 一九六一年、弟ジェリーの誕生日の日、ボーイフレンドとの約束の時間を待っていた十六歳のローレルは、見知らぬ男が訪…

『九月は謎×謎修学旅行で暗号解読 私立霧舎学園ミステリ白書』霧舎巧(講談社ノベルス)★★★☆☆

『九月は謎×謎修学旅行で暗号解読 私立霧舎学園ミステリ白書』霧舎巧(講談社ノベルス) 霧舎学園シリーズ第六作。2005年9月刊行。 タイトルに暗号解読とあるように、メインとなる謎は暗号による宝探し/人捜しですが、ほかにもアリバイ、叙述トリック、二人…

『私立霧舎学園ミステリ白書 八月は一夜限りの心霊探偵』霧舎巧(講談社ノベルス)★★★☆☆

『私立霧舎学園ミステリ白書 八月は一夜限りの心霊探偵』霧舎巧(講談社ノベルス) 霧舎学園シリーズ第五作。 七月事件で知り合った久賀カメラマンに口説き落とされて漫画雑誌のグラビアを飾った琴葉だったが、撮影現場のサイパンには母親までくっついて来た…

『私がふたりいる』戸川昌子(光文社文庫)★☆☆☆☆

『私がふたりいる』戸川昌子(光文社文庫) 1977年『蒼い悪霊』の改題文庫化。 学園都市の建設に携わった職員が電車内で遭遇した、顔を白い繃帯でぐるぐる巻きにした若い女性。彼女はクローンの研究を心霊学と勘違いして、同じ人間がふたりいる証拠である手…

『さよならの手口』若竹七海(文春文庫)★★★★★

『さよならの手口』若竹七海(文春文庫) 文庫書き下ろしの葉村晶シリーズ第四作。 長谷川探偵事務所の閉鎖に伴い古本屋でアルバイトをしていた葉村は、故人の遺品の整理中、古くなっていた床板に開いた穴から落ちて怪我をしてしまう。あろうことか穴からは…

『私立霧舎学園ミステリ白書 七月は織姫と彦星の交換殺人』霧舎巧(講談社ノベルス)★★★☆☆

『私立霧舎学園ミステリ白書 七月は織姫と彦星の交換殺人』霧舎巧(講談社ノベルス) 霧舎学園シリーズ四作目。 期末テスト前日、琴葉は弓絵に連れ出され、ナオキが籠っているスタジオを訪れた。そこで芸能カメラマンの仁多森が隣のマンションから墜落死した…

『私立霧舎学園ミステリ白書 六月はイニシャルトークDE連続誘拐』霧舎巧(講談社ノベルス)★★★★☆

『私立霧舎学園ミステリ白書 六月はイニシャルトークDE連続誘拐』霧舎巧(講談社ノベルス) 霧舎学園シリーズ三作目。 前作での予告(?)通り、密室・アリバイに続いて誘拐ものです。 図書委員の三年生中込椎名が琴葉に会いに来た。図書館にいつの間にか『…

『私立霧舎学園ミステリ白書 五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し』霧舎巧(講談社ノベルス)★★☆☆☆

『私立霧舎学園ミステリ白書 五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し』霧舎巧(講談社ノベルス) 霧舎学園シリーズ第二作。 各月の事件に「本格ミステリで用いられる謎を一つずつ取り上げていく」という方針に従い、四月の「密室」に続いて本書は「アリバイ崩…

『私立霧舎学園ミステリ白書 四月は霧の00《ラブラブ》密室』霧舎巧(講談社ノベルス)★★★☆☆

『私立霧舎学園ミステリ白書 四月は霧の00《ラブラブ》密室』霧舎巧(講談社ノベルス)★★★☆☆ 霧舎作品を改めて読もうと思い、『四月』から読み始めました。金田一少年や名探偵コナンからミステリに興味を持った人たちへの入口になってもらいたいという意図で…

『プレイボーイ・スパイ2』ジェイムズ・ハドリー・チェイス/井上一夫訳(創元推理文庫)★★★☆☆

『プレイボーイ・スパイ2』ジェイムズ・ハドリー・チェイス/井上一夫訳(創元推理文庫) 『You Have Yourself A Deal』James Hadley Chase,1966年。 プレイボーイ・スパイのマーク・ガーランドが活躍するシリーズの第二弾。ジェイムズ・ボンド・シリーズ…

『挿絵叢書 竹中英太郎(一)怪奇』末永昭二編(皓星社)★★★☆☆

『挿絵叢書 竹中英太郎(一)怪奇』末永昭二編(皓星社) 挿絵叢書というシリーズ名からわかるとおり、「可能な限り発表当時のレイアウトに近づけ」「必ずしも傑作小説集を目指さず、あくまで挿絵の魅力を堪能しうる作品を選」んだ(「序」より)ものであり…

『怪異雛人形』角田喜久雄(講談社大衆文学館文庫コレクション)★★★★☆

『怪異雛人形』角田喜久雄(講談社大衆文学館文庫コレクション) 戦前戦後に伝奇小説・時代小説・探偵小説をものした作家の、初期捕物帳を集めた作品集。「いろはの左近」もの二篇、「女形同心」もの二篇、その他三篇から成ります。著者が平成6年まで生きて…

『創元推理(10)』1995・秋号(東京創元社)

『創元推理(10)』1995・秋号(東京創元社) 第六回鮎川哲也賞の受賞作発表号であり、大賞受賞者である北森鴻と佳作受賞者である佐々木俊介と村瀬継弥の短篇が掲載されています。また、創元推理評論賞の発表もおこなわれており、受賞者の千街晶之と佳作の田…

『悲劇への特急券 鉄道ミステリ傑作選〈昭和国鉄編Ⅱ〉』佳多山大地編(双葉文庫)★★★☆☆

『悲劇への特急券 鉄道ミステリ傑作選〈昭和国鉄編Ⅱ〉』佳多山大地編(双葉文庫) 第一集がトラベル・ミステリーの作者による傑作集だったのに対し、第二集である本書にはトラベル・ミステリー作家に限らない鉄道ミステリが集められていました。 「探偵小説…

『完全犯罪の死角 刑事花房京子』香納諒一(光文社文庫)★★★☆☆

『完全犯罪の死角 刑事花房京子』香納諒一(光文社文庫) ハードボイルド作家による倒叙ものです。 沢渡留理は父親から受け継いだ家具会社を守るために、腹違いの兄・要次と秘書である愛人・福田麻衣子を殺し、別れ話のもつれから要次が麻衣子を殺したあと階…

『モップの精は旅に出る』近藤史恵(実業之日本社文庫)★★★★☆

『モップの精は旅に出る』近藤史恵(実業之日本社文庫) キリコ・シリーズ第五作にして最終巻。以前のイラストレーター(飯田貴子)の描いたキリコの方が作中の描写に忠実だったのですが、別のかたに変わってしまいました。 「CLEAN.1 深夜の歌姫」(2014)★…

『中野のお父さん』北村薫(文春文庫)★★☆☆☆

『中野のお父さん』北村薫(文春文庫) 出版社に勤める女性編集者が、謎解きの得意な高校教師の父親に日常の謎を解いてもらう連作掌篇集です。分量から言っても内容から言ってもとにかく軽い。 円紫さんシリーズの〈私〉はまだ大学生だったので、初めて人間…

『傍聞き(かたえぎき)』長岡弘樹(双葉文庫)★★☆☆☆

『傍聞き(かたえぎき)』長岡弘樹(双葉文庫) 日本推理作家協会賞受賞作を含む純粋な短篇集です。あまりにもわざとらしすぎる構成を、巧みだと取るか大根役者だと取るかで評価は別れそうです。 「迷走」(2008)★★★☆☆ ――消防無線のアラームが鳴り、現場へ…


防犯カメラ