文学作品を通して十九世紀のフランスの社会を見通そうとする鹿島氏の一連の仕事の原点、新装版。
あらすじ＆解説になっているので、未読者でもストーリーの流れを把握できるうえに作品の理解度も深まるという、一粒で二倍おいしい作品です。
岩波文庫版にも挿し絵は掲載されているけれど、線がつぶれていたりするので、絵的にもありがたい。
下水道のシーンに顕著なように、『レ・ミゼラブル』という作品自体が社会の解説のようになっているのですが、やはり百年前、やはり外国、かゆいところに手が届く鹿島氏の解説が重宝します。
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