『ダイヤル7をまわす時』泡坂妻夫(光文社文庫)★★★★☆

『ダイヤル7をまわす時』泡坂妻夫(光文社文庫) 親本1985年刊行。kindle版からはルビがほぼ省かれてしまっています。 「ダイヤル7」(1979)★★★★☆ ――戸根警察署暴力係を退職したばかりの久能は、同僚だった塚谷から頼まれて犯人当ての趣向で講演をおこな…

『からくり東海道』泡坂妻夫(光文社文庫)★★★☆☆

『からくり東海道』泡坂妻夫(光文社文庫) 親本1996年刊行。 尾張徳川家の江戸下屋敷戸山山荘は、各地の宿場町を模した二十五景で知られていた。角兵衛獅子の児のみつは、薬屋の古駅楼を見て絶句した。昔、この店を見たことがある――。獅子の児みつと文吉は…

『花嫁は二度眠る』泡坂妻夫(光文社文庫)★★★★☆

『花嫁は二度眠る』泡坂妻夫(光文社文庫) 親本1984年4月刊行。 富樫幹夫は従妹の蘇芳貴詩から、会わせたい人がいるから新宿のホテルに寄ってほしいと電話で頼まれた。小野口刑事からも面会を打診された幹夫は、新宿のホテルで待ち合わせることにした。四月…

『乱れからくり』泡坂妻夫(角川文庫)★★★★☆

『乱れからくり』泡坂妻夫(角川文庫) 泡坂妻夫の第一長篇。再読。 わたしが読んだのは角川文庫の電子書籍版ですが、創元推理文庫版には英題『Dancing Gimmicks』が付されています。 ボクサー崩れの勝敏夫が入社した宇内経済研究会は、社長の宇内舞子一人し…

『毒薬の輪舞』泡坂妻夫(河出文庫)★★★☆☆

『毒薬の輪舞』泡坂妻夫(河出文庫) 1990年初刊。 小湊刑事が患者として精神病院を訪れるという衝撃的な幕開けで始まりますが、そこはもちろん潜入捜査(?)であることはすぐにわかります。 まったく開けられていない清涼飲料水の缶のなかに異物を入れるこ…

『死者の輪舞』泡坂妻夫(河出文庫)★★★☆☆

『死者の輪舞』泡坂妻夫(河出文庫) 初刊1985年。 カバー型帯が付いていて、イメージキャラクターがなぜか遠藤憲一。でも海方は海亀のような見た目なので、爬虫類顔は実はぴったりかも。 カバー写真がドミノになっていてタイトルが「輪舞」ということからも…

『妖盗S79号』泡坂妻夫(河出文庫)★★★★★

『妖盗S79号』泡坂妻夫(河出文庫)「第一話 ルビーは火」(1979)★★★★★ ――会社が倒産して無職になった松本は、海水浴場の監視員のアルバイトをすることになった。そのうち常連に気づいた。まずは学生の四人連れだ。それからオープンシャツを着た初老の二人…

『ミステリーズ!』vol.100

100号記念でくらりシール付きです。「私の一冊」加納朋子 これは当然という感じで、北村薫『空飛ぶ馬』でした。 「心理的瑕瑾あり【問題編】法月綸太郎「紅葉の錦【解答編】」麻耶雄嵩 説明されると本当に単純な消去法なのでわからなかったのが口惜しい。本…

『11枚のとらんぷ』泡坂妻夫(角川文庫)★★★☆☆

泡坂氏の長篇は、奇想に溢れる短篇と比べると、手堅いという印象を持ちます。本書にしてもそれは例外ではありませんでした。 公民館でのアマチュア奇術ショウで披露される十一の奇術に加えて、作中人物の著述『11枚のとらんぷ』に書かれた十一の奇術、という…

『ミステリーズ!』vol.81【泡坂妻夫「酔象秘曲」未発表短篇一〇〇枚一挙掲載】

「私の一冊 桜庭一樹『少女には向かない職業』」芹沢央「胎土の時期を過ぎても」円居挽 「米澤穂信 講演会レポート――一文に願いを託す――」 太刀洗万智と読みが同じ大刀洗町での講演会です。別の日に講演のあった金沢ゆかりの作家、犀星と鏡花と徳田秋声のう…

『幻影城』2016年1月No.55終刊号【創刊40周年記念「幻影城」作家大特集】

飽くまで「休刊」中だった雑誌『幻影城』が、創刊40周年を機についに「終刊」となりました。『幻影城』の中心作家たちの多くは故人となってしまっているので、珍しい作品や草稿や遺稿などを中心に構成されています。 「特集=泡坂妻夫」「MS一〇六号機事件…

『KAWADE 夢ムック 総特集 泡坂妻夫 からくりを愛した男』文藝別冊(河出書房新社)★★★★★

『KAWADE 夢ムック 総特集 泡坂妻夫 からくりを愛した男』文藝別冊(河出書房新社) 表紙は和服姿に煙草を手にした泡坂妻夫。表2・表3はマジックを披露している泡坂妻夫の連続写真。本文内にブラックユーモアイラスト多数。{特別対談}「からくり師・泡坂…

『泡坂妻夫引退公演』新保博久編(東京創元社)★★★☆☆

『泡坂妻夫引退公演』新保博久編(東京創元社)第一幕 絡操・亜智一郎「大奥の七不思議」 ――美術品を盗んでは偽物の場合は返しに来る盗賊・隼小僧が江戸城城内に侵入した。怪しい目撃情報の正体は狸だったようだが。狸が人に化けても泥棒はすまいが……。 七不…

『妖女のねむり』泡坂妻夫(創元推理文庫)★★★★★

1983年発表。 古紙収集のバイトをしていた柱田真一は、雑誌の山のなかに樋口一葉の自筆手稿らしき反故を発見する。真贋の見極めと残りの手稿を求めて、真一は反故の出所であるらしい寺を訪れるべく、諏訪に旅立った。列車で出会った少女に惹かれた真一は、思…

『喜劇悲奇劇』泡坂妻夫(創元推理文庫)★★★★★

初期作品の復刊。 回文の名前を持った人物が次々と殺されて――。って、ありえねー。泡坂妻夫という作家性を前提としたミスディレクションじゃないですか。 凄まじい大傑作、という作品ではないけれど、ヨギ・ガンジーものにも通ずるような、その心意気にしび…

『俳句殺人事件 巻頭句の女』斎藤愼爾編(光文社文庫)★★★★☆

俳句がテーマのミステリ・アンソロジー。俳句がダイイング・メッセージ、俳人が探偵、俳句をお題に創作、句会が舞台、俳人が被害者、俳句が事件を象徴、等々さまざまなミステリが楽しめます。 編者自身「絶対に買いである」と述べているように、ページ下に編…

『鳥居の赤兵衛 宝引の辰 捕者帳』泡坂妻夫(文春文庫)★★★★☆

泡坂妻夫なのでトリッキーな方でも時代小説の風味の方でも安心して読めます。「鳥居の赤兵衛」★★★☆☆ ――「鳥居の赤兵衛」は大盗賊の活躍を描いた貸本屋限定・十巻ものの手書きの読本だ。滅法面白いと評判だが、貸本屋の急死と同時に紛失した。続きを読みたい…

『幻影城の時代』「幻影城の時代」の会編(エディション・プヒプヒ)★★★★☆

『幻影城』といえばこの人、泡坂妻夫のエッセイで幕を開けます。「探偵小説専門誌とありながら創刊号は「日本のSF特集」。この編集長はよほどつむじ曲がりだなと思いました」という言葉を、泡坂氏が言うとなぜだか妙におかしい(^_^)。 そしてメインの…

『贈る物語 Mystery 九つの謎宮』綾辻行人編(光文社文庫)★★☆☆☆

宮部みゆき・瀬名秀明・綾辻行人編の『贈る物語』シリーズがクリスマスを控えて文庫化されました。宮部セレクト、瀬名セレクトが初心者にも本好きにもうれしいラインナップだったのに対して、綾辻セレクトは完全な初心者向けゆえほとんど既読で食指がまった…

『トリュフとトナカイ 現代ミステリー短編集4』泡坂妻夫(岩崎書店)★★★★☆

子ども向けの現代ミステリー作品集。泡坂作品から傑作集を編むとすれば、誰が選んでも亜愛一郎シリーズから一篇採るのは間違いのないところなんだけれど、編者(中村哲雄編集と書いてある)は(おそらくは)敢えて亜シリーズを省いている。 結果的に、いかに…

『あなたが名探偵』泡坂妻夫・他

ミステリ専門誌『ミステリーズ!』に連載されていた犯人当て小説の単行本化。本誌では見事犯人を当てた読者に著者サイン色紙が当たるという企画だったため、サインほしさに泡坂妻夫・麻耶雄嵩両氏の問題編については考えに考えたものでした。万に一つの可能…


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