『ミステリマガジン』は「2011年ベスト・ミステリ」特集。
ミステリマガジンは毎号読んでいるのに、ランキングにほとんど見覚えがないことに愕然としました。ポケミスと『犯罪』『サトリ』『忘れられた花園』くらい。それこそ「バラエティに富んだ作品がいっぱい出て」きた、ということなのでしょう。ベテランの最新作は別枠として、ポケミス新世代が頑張ってる。
「小特集 UN-GO」
『安吾捕物帳』のアニメ化作品『UN-GO』の脚本家・會川昇インタヴューと、「あまりにも簡単な暗号」脚本とその原作「アンゴウ」を掲載。
「迷宮解体新書(48)」
鮎川賞受賞者・月原渉。
「特集 追悼アガタ・クリストフ」
未訳戯曲掲載。
「第一回アガサ・クリスティー賞決定記念トーク」有栖川有栖×若竹七海
選考委員として、新人として、クリスティーについて、翻訳ミステリについて、最新作について。
「独楽日記(49)」佐藤亜紀
CG映画について。「CGアニメのキャラクターは、いかにリアルと言っても実写のようにリアルではない」というところから始まる、ひさびさにスカッとする内容でした。
『S-Fマガジン』は小川一水特集。インタビュウはあるけれど短篇はなし。ほかに評論、著作ガイド。
・北野勇作カメリ最新作と、草上仁「予告殺人」。
「SFのある文学誌(1)」長山靖生
新連載。義経ものの黄表紙『悦贔屓蝦夷押領』。
「大森望の新SF観光局(26)」
スマートフォンで読む電子書籍。
「ショーン・タンとの一時間」
『アライバル』『遠い町から来た話』のショーン・タン・インタビュウ。
「ドリアン・グレイの恋人」グレゴリイ・フロスト/小川隆訳(The Girlfriends of Drian Gray,Gregory Frost,2000)
――その指輪を嵌めさせた女は、男が食べれば食べるだけ贅肉が増えて行った。男は次々に女を取り替え、好きなだけ美食にうつつをぬかしたが――。
肖像が老いるのではなく、恋人が太ってゆく。パロディではありますが笑いではなく飽くまで幻想と怪奇のスタイルを崩しません。
「乱視読者の小説千一夜(13) 教師としての芸術家の肖像」若島正
「11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス」ロバート・F・ヤング/伊藤典夫訳(Romance in an Eleventh-Century Recharging Station,Robert F. Young,1965)
――出発前のエネルギー補給をうっかり忘れてしまったため“ガス欠”に陥り、アーチャーは十五世紀前の世界を訪れる。だが人々は死んではいないのにまったく動かなかった。
イラストのアーチャーの顔がどことなくハンカチ王子みたいに見えるのは、もしや洒落なのか……? 奇想コレクション最集配本『たんぽぽ娘』については「期待して待つことにしましょう」という編集部コメント。
「新☆ハヤカワ・SF・シリーズ創刊」
第一回配本は挿し絵入り。よさそうな絵です。スコット・ウェスターフェルド『リヴァイアサン ―クジラと蒸気機関―』。
「パオロ・バチガルピ・インタビュウ」