『内村光良一人舞台 東京オリンピック生まれの男』(2011)★★★☆☆

 ずっと前にWOWOWで放映していたものの録画をようやく観ました。

 長いコントと言えばいいのか、一人芝居のコメディと言えばいいのか、東京オリンピックの年に生まれた男・秋田泉一の半生です。小学生のとき駆けっこで一等賞になったのをきっかけに、すべてのことで一番になることを夢見て(当然挫折する)駄目男の話です。陸上部やテニス部や期末テストではむしろビリっけつに近く、一番になったのは小学生絵画コンクールや金魚すくいというのですから、あとは推して知るべしです。「表現部」を新創設したり、「劇団・和洋折衷」に入っちゃったりとか、ああ(笑)という感じです。絵に描いたようなワナビーたちのなれの果て。ここらへんは、同年代だったり実際に創作活動に携わっていたりすると、また違った感慨を受けるんでしょうね。わたしにとってはただの面白エピソードに過ぎませんでしたが。

 芸人さんのワンマンの舞台って、笑いではなくストーリーや人情や理屈や実験的なものに逃げる人もいるところを、ちゃんと笑いで通そうとした気概が立派です。

 仮装大賞や村田くん含めほとんどのエピソードが一回こっきりではなく、あとでもういちど笑いで回収されているところもよい。

  


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