「ゴメスを倒せ!」(1966.1.2)★★★☆☆
――トンネルを工事していた作業員が錯乱して飛び出してきた。金峰山に伝わる絵図によれば、かつて地上にはリトラとゴメスという恒温動物が生息していたらしい。
ミステリーゾーンふうのナレーションにわくわくします。「トンネルのなかにトンネルが――」という謎めいた引きも魅力的です。ほぼ100%「怪獣」とはいえ「かつて地球上に棲息していた生物」という一線は守っているかと思えば、一介の新聞記者が原子銃を持っていたりと、ゆるふわな世界観は、手塚治虫の描いた未来のようなレトロフューチャーを思わせます。帽子をかぶった女性記者なんてのもその一つ。
ミステリーゾーンふうのナレーションで始まりながらも怪獣に特化している作風は、『ゴジラ』ともども日本の特撮の方向性を決定づけた記念すべきものである一方で、多彩なアイデアではなく怪獣という「パターン」に矮小化してしまった弊害も併せ持っているように思います。
「五郎とゴロー」(1966.1.9)★★☆☆☆
――ロープウェイに巨大猿が現れた。同じころ、かつて日本軍の栄養剤として用いられた青葉くるみが研究所から消えていた。食べ過ぎると甲状腺に異常を来し巨大化してしまうのだ。巨大猿は使用人の五郎が可愛がっていたゴローなのか。
まるきり空想の存在である怪獣ならともかく、実物と比較できてしまう猿だと作り物感が際立ってしまいますね。これが当時の特撮の限界なのかなあ。。。
「宇宙からの贈りもの」(1966.1.16)★★★★☆
――火星へ打ち上げたロケットのカプセルが戻ってきた。なかに入っていた卵から、ナメクジのようなものが現れ、目から光線を出しながら暴れ回った。
ナメゴンの回。最後に博士たちによる考察こそあるものの、本篇ではただ暴れ回るだけという、怪獣ものの魅力の原点に帰った一篇です。ナメクジといえば定番とはいえ、淳ちゃんの機転による退治方法も、「自分たちの手で勝ったんだ」という勝利感にひたれます。怪獣退治のシリーズものらしからぬ終わり方は、ミステリーゾーンふうを目指していた当初の名残でしょうか。
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