『ミステリー・ゾーン DVDコレクション』22・23(アシェット)

ミステリーゾーン』22「狂った太陽」「魔書と南軍」「ジャングルの呪い」

「狂った太陽」(The Midnight Sun,1961.11.17,第75話)★★★★☆
 ――地球が軌道を外れて太陽に近づき始め、今日が地球最後の日。明日には海が沸騰する。ブロンスン夫人とノーマは二人きり部屋で最期を待っていた。

 終末もののよくある人間ドラマだと思いながら観ていましたが、油絵が溶け出し、温度計が沸騰するシーンには本気で鳥肌が立ちました。単なる夢オチに留まらないオチも秀逸です。
 

「魔書と南軍」(Still Valley,1961.11.24,第76話)★★★☆☆
 ――南軍の偵察兵ジョーは北軍がいるか確かめるため谷にある町に降りていった。そこには固まって動かない北軍がいた。ジョーの前に姿を見せた老爺は、自分が北軍に魔法をかけたのだと言った。

 ナレーターが変わりました。冒頭の臆病者問答が浮いてました。史実で南軍が負ける以上、魔法が北軍に及ばなかったのは試聴者には最初からわかっています。どうしてそうなったのか――が、ちょっといい話、でした。
 

「ジャングルの呪い」(The Jungle,1961.12.1,第77話)★★★★★
 ――アフリカの開発から帰国したドリスとアラン・リチャーズ夫妻に、まじない師は呪いの言葉を残していた。ドアを開けたアランの目の前に……。

 チャールズ・ボーモント原作・脚本。山羊の死体、運転手の死、槍を掲げる原住民、伸ばされる手、猿の鳴き声や太鼓の音……段階を踏んでじわじわと迫り来る呪いの描写が恐怖を煽ります。もちろん映像や演出的には現在と比べれば素朴なものですが、サスペンスとはこう作るのだというお手本のような造りでした。
 

ミステリーゾーン』23「昔はよかった物語」「奇妙な奈落」「日本軍の洞窟」

「昔はよかった物語」(Once Upon A Time,1961.12.15,第78話)★★★★☆
 ――自分の住んでいる時代が大嫌いなマリガン氏はギルバート教授の研究所の守衛だった。ギルバート教授がタイムマシンを発明したところに居合わせたマリガン氏は、1960年代にタイムスリップしてしまった。

 バスター・キートン主演。オリジナルは1890年の場面ではサイレント映画を模し、日本語吹替え版でも弁士の吹替えを模している、凝った作りの作品でした。その出来はさすがキートンというべきものですが、1960年代に入ってからテンポがもたついてしまうのが残念です。
 

「奇妙な奈落」(Five Characters in Search of An Exit,1961.12.22,第79話)★★★☆☆
 ――少佐が気づくとそこは真っ白な壁に囲まれた場所で、いるのは道化と楽士とバレリーナと浮浪者だけ。少佐は自分が誰なのか思い出せなかった。いったいここは何処で、何なのか……。

 そこがどこでどういう場所なのか、どうやって抜け出すのか、発想や方法が限られているだけに、どうしても一本調子で退屈な作品になってしまいます。
 

「日本軍の洞窟」(A Quality of Mercy,1961.12.29,第80話)★★★☆☆
 ――1945年8月6日、フィリピン、日本軍が洞窟に立てこもり、二日間の砲撃にも耐えていた。だが新しい士官は正面からの突撃を命じた。戦争に倦み疲れていた兵士たちは、相手が負傷兵だからと放っておくことを諭したが、中尉は聞かなかった。だが双眼鏡を落とした中尉が気づくと……。

 ミスター・スポック役でお馴染みレナード・ニモイが出演しています。立場を変えてものごとを見るという簡単なようでいて難しいことも、ミステリー・ゾーンならあっさりと実現されます。
 

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