『マキノノゾミ1 東京原子核クラブ』マキノノゾミ(ハヤカワ演劇文庫)★★★★★

 読んだあとで感想を途中までメモっていたのに続きをメモるのを忘れてしまったらしく、自分が読んでさえ何だかわかりません。でも★5つ付けているし、面白かったことは確かです。

 昭和17年を最後に、それからはカットバック風に舞台は進み、昭和21年になって初めて再び年代が記されます。あるいは昭和10年から15年までの空白。何かが確実に変わってしまったことを、嫌でも感じさせられるような。

 昭和初期。風変わりな住人ばかりが集う東京・本郷の下宿屋「平和館」で、理化学研究所の若き原子物理学者・友田晋一郎はしょげていた。またしても論文が海外のライバルに先を越されたのだ。そんな折、見合い相手をたずねて平和館に現れた海軍中尉・狩野は、理研の研究で未曾有の新型爆弾を作れることに気づき……あのノーベル賞物理学者・朝永振一郎博士をモデルに、科学と倫理の相克を、夢と現実の間でゆれる若者たちの青春にかさねて問う傑作群像コメディ。第49回読売文学賞受賞作品。著者による「演出ノート」を付す。(カバー裏あらすじより)

 

『ハローサマー、グッドバイ』マイクル・コーニイ/山岸真訳(河出文庫)★★☆☆☆

 『S-Fマガジン』か『ミステリマガジン』の大森望評を読んで、取りあえず「青春恋愛SF」というのに惹かれて購入。積ん読してるうちに山崎まどかブログのツッコミを読んで、わたしには素直には楽しめないタイプの作品かな、と思いつつ、今月に入ってようやく読了。

 ああ。。。わたしにはツッコミながら読んで楽しむことすらできなかった。

 恋愛小説というか、最初のうちはアメリカ家族小説っぽい。厳しい父と、体裁家の母、一家そろっての移動生活、とか。いやあでも肝心の「ぼく」が……だめんずですらないんです。もっとダメキャラ全開なら笑えたのに。(そもそも笑う話じゃないんだけどさ)

 女の子が都合よすぎ、とか以前の問題でした。

 でもSFというかミステリというか、びっくりするのが好きな人なら最後まで読めばむくわれます。

 夏休暇をすごすため、政府高官の息子ドローヴは湊町パラークシを訪れ、宿屋の少女ブラウンアイズと念願の再会をはたす。粘流《グルーム》が到来し、戦争の影がしだいに町を覆いゆくなか、愛を深める少年と少女。だが壮大な機密計画がふたりを分かつ……少年の忘れえぬひと夏を描いた、SF史上屈指の青春恋愛小説、待望の完全新訳版。(カバー裏あらすじより)
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