『ゴジラ×コング 新たなる帝国』(Godzilla x Kong: The New Empire,米,2024)★★★☆☆
レベッカ・ホール、ダン・スティーヴンス他出演。
これはこれでよい。
アメコミヒーロー集結映画の怪獣版といったところでした。
どうやら続編らしく、前提となる設定がよくわからないところがあったものの、〝それでも楽しめる〟タイプの娯楽大作でした。
髑髏島を嵐が襲い、コングを祀るイーウィス族の少女ジアとコングだけが生き残っていた。怪獣研究所モナークの研究員アンドリューズ博士に引き取られたジアは、不思議な力で何者かによる救助信号を感じ取った。ゴジラも同じ救助信号を受け取ったらしく、イタリアに出没した怪獣を倒したあとも帰らずに暴れていた。博士とジア、前作で活躍したらしい配信者のバーニー、コングの虫歯を治療した獣医トラッパーらは、救助信号の発信源を探るべく地下空洞に向かった。地下には独自のコミュティを作っていたイーウィス族の生き残りがいた。イーウィス族の言い伝えによれば、地下の猿型怪獣たちは冷凍怪獣シーモを操る猿王スカーキングによって支配されてしまったが、それを救うであろう救世主こそジアだと予言されていた。出会った小猿を従えて地下を歩き回っていたコングは、スカーキングの縄張りに迷い込み、ひどい怪我を負ってしまう。スカーキング軍を倒すにはゴジラの力が必要だが、コングを敵と見なすゴジラは、迎えに来たコングに攻撃を開始した。苦戦するコングだったが、覚悟を決めたジア、眠っていた守り神が復活する……。
ゴジラや他の怪獣の立ち位置がよくわかりません。怪獣たちはそれぞれの縄張りで暮らしている感じで、ゴジラは敵でも味方でもないようです。人類の生活圏内とゴジラの縄張りが重なるため、縄張りを守るためにほかの怪獣をやっつけること
そんな怪獣たちが大暴れ。ゴジラやコングだけでなく、【モスラ】まで登場するうえ、キングギドラも名前だけ登場。ほかの怪獣のエネルギーを食って、青ではなく赤く光るゴジラがカッコイイ。
そしてイメージと違うのは、ゴジラのフットワークの軽さです。アメコミ映画っぽさを感じたのはまさにそれが理由で、この映画のゴジラは人間のように腕を振って走り、きれいなフォームで水に飛び込み、怪獣にブレーンバスターを仕掛けます。これはもう制作陣が確信犯で、ノリノリでこういうのを作ってるんだろうなと考えると可笑しさがこみ上げてきました。
昨今のアメリカ映画なので、残酷描写は無く、引き裂かれる怪獣の血も赤ではなく緑なのですが、なぜか食料にされた怪獣の肉は臓物びろーんとしっかりグロテスクで、よくわからないこだわりでした。
やはり人型(猿型)の怪獣だと、武器を使える分アクションのバリエーションが増えて見応えがありました。敵側の凍結怪獣シーモも、静止画で見ると白黴の生えたゴジラみたいで格好悪く見えたのですが、動くと見違えます