『リストランテ・パラディーゾ』『GENTE(1)』『GENTE(2)』『not simple』『LA QUINTA CAMERA 五番目の部屋』『さらい屋五葉(5)』オノ・ナツメ

 オノ・ナツメをイッキ読み。

 これだけ読んで一番記憶に残っているのが、眼鏡をはずしたジジが岸田森みたいでかっこいい!ということだったりします。『リストランテ』『GENTE(1)(2)』の三冊で主要キャラの全員にスポットが当たったし、『GENTE(2)』の最後があの場面で終わったしで、今後がどうなるのか楽しみです。コーヒーの湯気がむちゃくちゃ美味しそうだあ。

 あらゆる不幸をこれでもかっ!っていうくらい詰め込んで陳腐にも暗くもならないのが『not simple』。オノ・ナツメの描く女って(男もだけど)美人とかじゃなく「いい女」が多い。お姉ちゃんもきっぱりしててかっこいい。
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  『GENTE』(1)
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  『not simple』
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『団地ともお(12)』小田扉(小学館ビッグコミックス)

 「さらば愛しの大佐だなともお」って連載時はどうなっていたんだろう? と思って読み返してみると、トリックだなあ(^^)、これは。上手い上手い。

 この巻にはもう一つミステリが収録されて――と書くとネタバレになってしまうのだけれど、タイトルも「犯人をさがせ容疑者ともお」だからまあいいか。最後の最後になって何が謎だったかがわかるという技巧作です。
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  『団地ともお』(12)
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『あなたまかせのお話』レーモン・クノー/塩塚秀一郎訳(国書刊行会・短篇小説の快楽)

 『Un conte à votre façon』Raymond Queneau,1981年。

 実験作や前衛作品というものには、誰もの心を打つ普遍的なものもあれば、理論を共有していないと面白くも何ともないものもあります。という意味で、その「理論」部分を補強する付録のインタビューが本書のなかでは一番面白かった、というのは少し皮肉な話です。

 「jeunes auteurs」(「ジュヌ」「オトゥール」の複数形は「ジュヌ・トゥール」と発音する)ってのは、わかるわかる、という感じです。習い始めのとき、パニクりました。

 小説作品のなかでは嘘んこ科学(?)「その時精神は……」のくだらなさが面白かったので、「文学的狂人」を扱った『リモンの子供たち(Les enfants du Limon)』『不正確科学百科事典』は読んでみたいなあ。
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  『あなたまかせのお話』
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