『The Phantom-Fighter』Seabury Quinn,1966年。
〈おバカ〉とか〈キッチュ〉とかが好きな人なら楽しめるかも?
もうちょっとミステリとして引き締まってたり、ホラーとして怖かったり、冒険アクションだったり、奇想が横溢していたり、キャラが立っていたりと、何か一つ抜きでていれば面白いんだけれど。
オカルト探偵ものって、ともすれば何でもありになってしまいがち。だからこそ、ただのミステリやホラー以上に気を使ってほしいんだけどなあ。
怖くも面白くもなんともない事件が起こって、それをグランダンが説得力もなければ奇天烈でもない推理(?)でだらだらと解決するパターン。推理ものという形式が完全に失敗しているとしか思えない。
ゴーストバスターものではなく探偵ものだからサスペンスもなし。でも本家ホームズものには冒険サスペンスの味もあったんだよね。。。
「ゴルフリンクの恐怖」(Terror on the Links)★☆☆☆☆
――猿みたいなやつに襲われたとうわごとを叫ぶ男。同じころ無惨な遺体で見つかった若い女。いったい何者の仕業なのか。オカルト探偵グランダンが挑む。
しょぼいアイデアを補うために無理な意外性を演出しようとひねり出す展開がことごとく空振り。別に犯人がゴリラだろうと吸血鬼だろうと人間だろうと関係ないんですよ。
「死人の手」(The Dead Hand)★★☆☆☆
――手首から先は何もない手だけが家に押し入り盗みを働いた。この怪奇事件をグランダンは解決できるのか。
死人の手が犯人なのはわかっている。となると勘所は、その手にどんな因縁があるかというところくらいしかない。もちろんどうでもいい因縁しかないのである。
「ウバスティの子どもたち」「ウォーバーグ・タンタヴァルの悪魔」他。
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