『バッキンガムの光芒 ファージングIII』ジョー・ウォルトン/茂木健訳(創元推理文庫M)★★★★★

 『Half A Crown』Jo Walton,2008年。

 三部作の完結編。いつどこで起きてもおかしくはなかった恐怖が描かれてきたシリーズですが、最終作となる本書では、ドイツでは決して起こり得なかった結末が待ち受けていました。イギリスをはじめとする一部の国に特有のシステム(の理想)がうまく活かされていました。

 それにしてもノーマンビーは何をしたかったんでしょうか。さらに弱みを握って威圧したかったのかなあ。

 印象に残った一言。「今やわれわれは、原子爆弾を所有することによって、この平和を維持できるようになったのですからね。」

 ソ連が消滅し、大戦がナチスの勝利に終わった1960年、ファシスト政治が定着したイギリス。イギリス版ゲシュタポ・監視隊《ザ・ウォッチ》の隊長カーマイケルに育てられたエルヴィラは、社交界デビューと大学進学に思いを馳せる日々を過ごしていた。しかし、そんな彼女の人生は、ファシストのパレードを見物に行ったことで大きく変わりはじめる……。すべての読書人に贈る三部作、怒濤の完結編。(カバー裏あらすじより)
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  『バッキンガムの栄光 ファージング3』
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