『S-Fマガジン』2025年02月号No.767【創刊65周年記念号 2025オールタイム・ベストSF結果発表】
「2025オールタイム・ベストSF結果発表」
簡単な総括が書かれている以外はただ結果とアンケート作品名・作家名だけ書かれいてるだけで、あまり実りのない内容でした。
「博士とマリア(1)」辻村七子
「アフター・ゼロ」グレッグ・イーガン/山岸真訳/鈴木康士イラストレーション(After Zero,Greg Egan,2022)
「陽の光が届かなくなった年」ナオミ・クリッツァー/桐谷未知訳/YOUCHAN画(The Year Without Sunshine,Naomi Kritzer,2023)★★☆☆☆
――大きな災害が起こり、空気中に塵と灰が満ちて陽の光がさえぎられた至近未来。インフラが不安定になり、物資が不足するなか、主人公が住む地区では物々交換をして助け合いながら暮らしはじめる。肺に酸素を送る機械に二十四時間頼って生きる老婦人の存在を知った住民たちは、停電時に交代で自転車をこいで発電するシステムをつくる。ある日、郊外から食糧を狙う襲撃者がやってきて……。/弱い者を助けることこそがコミュニティを強くするという、優しさと温かさ、勇気と覚悟に貫かれた傑作。(解説あらすじより)
解説のあらすじですべて説明され尽くしていました。
「書評など」
◆小川哲『スメラミシング』のほか、坂崎かおる『箱庭クロニクル』は日本推理作家協会賞短編部門受賞作「ベルを鳴らして」も収録の短篇集。
「宇宙にうたえば 歌よみSF放浪記(5)眠りの果てに」松村由利子
冷凍睡眠(コールドスリープ)が和製SF用語であることや、「冷凍睡眠という言葉もだいぶ古びて」しまっていることや、現在はより現実的な人工冬眠の研究が進められていたりと、今回は短歌よりも科学/SF情報が為になりました。
「WORLD SF IN A BOX」紅坂紫
イグナイト賞受賞作特集。黒人SF専門誌が主催する、2020年創設の賞だそうです。2024年の長篇小説部門受賞作は、ヴァジラ・チャンドラセケラ『輝ける扉の聖人(The Saint of Bright Doors)』。スリランカの出身の著者が自国の歴史と現在を取り込んだノワールっぽいあらすじで、これは邦訳が待たれるところです。
「やけにポストの多い町」大木芙沙子/jyariイラストレーション
――日本で最も美しい夕焼けが見られるこの町では、通信機器の一切が使用できない。(袖惹句)
「大森望の新SF観光局(97) 〝中国のキャンベル〟姚海軍に何が起こったか?」
「宇宙開発半歩先の未来(4)「衛星コンステレーション」となぞの技術者ウォーカー」秋山文野
「SF小僧 広島死闘篇」とり・みき
「SFのある文学誌(98) 夢野久作④――『東京人の堕落時代』とモダンな価値観」長山靖生
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