「ティー」と言いたいのに「茶ー(チャー)」と言ってしまう。「スターバックス」に行きたいのに、出てきた言葉は「オートバックス」。そんな言い間違いを集めた読者投稿本(本書の場合、もとはウェブですが)のひとつです。それだけならよくある。大量にあるサブカル本の山に紛れたっておかしくなかった。でもそんじょそこらの類書とはモノが違う。(1)タイトルがまつがってる。『言いまつがい』。目ぇ引きますよね。同じく笑いにするんでも、言い間違いを馬鹿にするんじゃなくって、言葉に対する監修者の愛情を感じるタイトルでした。(2)造本がまつがってる。凝ってる。凝りすぎ。丈の足りない背表紙、斜めの裁断、角が丸かったり四角かったり、表紙が寸足らずだったり、扉に穴が開いてたり、穴がフキダシの形になってるくせにセリフが収りきれてなかったり。読むだけの本にしか興味のない人ならともかく、わたしにとってはこんな造本の書物は一生の宝物です。それだけでも価値がある。
