『レベッカ』特集とはいっても一篇は映画『レベッカ』論なので、実質三篇。鴻巣友希子「『レベッカ』追想」は、名前のない語り手に焦点を当てたエッセイだけど、特に鋭い指摘とかはない。新井潤美「「お嬢様作家」としてのデュ・モーリア」は、当時のイギリス女流文学・イギリス社会階層を自覚的に捉えて読み直した、デュ・モーリア作品論。日本人にはピンと来ないところなのでありがたい論考。ミネット・ウォルターズ「『ランデヴー、その他の短篇』序」は、タイトル通り短篇集の序文。未訳の作品について一言二言コメント解説しているので隔靴掻痒である。
「言葉の蹉跌2 辞書の失敗(その1)」トム・ガリー
日本語学習者用に最適の和英辞書(日本語辞書)がないという話。和英・国語・漢和を行ったり来たりなのか。なるほどなあ。
「英語小説翻訳講座2」真野泰
接続詞はつい補っちゃいますね。それに隠喩もついついわかりやすく訳してしまいがち。
Book Reviewからは、斎藤兆史『翻訳の作法』。かなり実用的な翻訳入門のようです。
『英語青年』2008年5月号
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