『パリの蜂起 小説フランス革命2』佐藤賢一(集英社文庫)★★★☆☆

 あっという間にバスティーユ直前です。決して計画的なものではなかったらしいバスティーユ襲撃ですが、ここまで「勢い」がきっかけなのかと思うほどの描かれ方には唖然としました。ダメダメなデムーランを初対面のミラボーがその場で焚きつけている場面は、第一巻から計略家として描かれてミラボーであれば、むしろ自然にも思えてしまいますが、それにしても……なんというか、ネット民を挑発したら大統領暗殺してきた、みたいなノリには大笑いしました。

 フランス全土が飢饉にあえぐ中、政治改革の意欲に燃えて全国三部会に乗り込んだミラボーロベスピエール。しかし、僧侶と貴族の特権意識のせいで、議会は全く進まない。反発して国民議会を立ち上げた平民代表部会は、王の軍隊に威圧され、大衆に人気の平民大臣ネッケルも罷免された。たび重なる理不尽にパリの民衆が激怒、弁護士デムーランの演説に立ち上がる! 歴史巨編、動乱の第二巻。(カバー裏あらすじより)

 


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