「ある死刑囚」(Execution,1960.4.1)
――1880年11月14日、悪党キャズウェルは縛り首になった。……が、気づくと80年後のニューヨークにある研究室にいた。恵まれた暖かい部屋で正義を語る研究者にカッとなったキャズウェルは、研究者を殴り倒して街へ出た。
時空を越えた因果応報。キャズウェル役の俳優アルバート・サルミの存在感が光ります。生まれながらの無頼漢という感じで、この人の存在なくしてはこの作品はこれほど面白くはならなかったでしょう。
「奇蹟」(The Big Tall Wish,1960.4.8)
――ボリー・ジャクソンは再起を賭けた試合を控えた下り坂のボクサーだった。下宿の息子ヘンリーは、卑下するボリーを鼓舞し、ボリーを勝たせてくださいとお願いするのだった。
ボリーが駆使するがこれまでの作品とは違った印象を与えています。落ち目の自らを「くたびれ果てた老いぼれが、バスをつかまえようとしている」と言うのを始めとして、クサイ(?)名言の数々が口に出されます。信じることを忘れてしまった大人の物語でした。このシリーズ、特撮がしょぼいのは時代を差し引いて観ていましたが、ボクシングの試合までしょぼいのにはがっかりしました。
「トランペットに憑かれた男」(A Passage for Trumpet,1960.5.20)
――酒のせいでかつての演奏力を失ったジョーイ・クラウン。それでもトランペットを手放すことはできなかった。絶望して発作的にトラックの前に身を投げるが、気づくと誰も自分には気づかなくなっていた……。
お告げの天使ガブリエルがリンカーンのそっくりさんで登場するという、わけのわからない面白さがありました。「奇蹟」と同様、生きることと心の持ちようの関係を教えてくれます。
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