買ったはいいけどエッセイと翻訳小説しか読まなくなってしまいました。好きな作家の小説も載ってるんだけどね。
『yomyom』6
◆「ファンタジー小説」の特集なのに、北村薫ときたらマイペースこのうえなく、志賀直哉や黄表紙や落語の紹介をしている。わたしのような読者にはこれも嬉しいが、『yomyom』的には頓珍漢このうえない。瀬戸川猛資氏の本に書かれた「宇宙的なサゲだ!」の後輩が北村氏だという告白もある。
◆「ファンタジーから映画史は始まる」四方田犬彦
メリエスから89年の『鉄男』までを駆け足というご無体なエッセイである。原稿を頼むんならそれなりの枚数を頼んであげてよ、と思ってしまった。
◆「辞書(プチ特集)」中島京子・武藤康史
特集と呼ぶのもあんまりな規模ではあるが、書いているのがこの二人というのは心強い。辞書そのものというか辞書編纂者の愛にスポットを当てた中島エッセイと、さまざまな辞書の用例に思いを馳せる武藤エッセイ。
◆「三つ子のような翻訳詩集」小池昌代
『ディキンソン詩集』『朝鮮詩集』『アイヌ神謡集』。二冊は対訳であり、『朝鮮詩集』は訳語「唖蝉」を巡る感慨。
◆「『源氏物語』をイッキ読み」山崎まどか
今回はどうやら時間制限なしみたいで、各種テキストを読みまくってます。そうか源氏物語萌えのヂョシどもはこういうふうにテキストを読んでいるのかと、何か納得。いやでも果たしてこんな話なのだろうか、『源氏物語』って。
『yomyom』7
◆「シーナ文庫の101冊」椎名誠
や、シーナさん、すごいよ。一人で100冊リストアップしたんか。
◆「僕を作った五人の作家、十冊の本」伊坂幸太郎
夢枕獏・大江健三郎はともかく、赤川次郎・西村京太郎・島田荘司ってすっごく意外な気がする。
◆「お前の顔を見せろ」西加奈子
文庫のカバー画。白洲正子とドストエフスキーは、わかるわかる。
◆「『赤毛のアン』が愛読書だった」梨木香歩・茂木健一郎・酒井順子・松本侑子・柴崎友香
今回は「イッキ読み」も赤毛のアン。
『yom yom』8
◆「ハリとルーシーとトリパラータイラ」中島京子
健康体験エッセイ。
◆「王様ネズミ」カレン・ジョイ・ファウラー/岸本佐知子訳(King Rat,Karen Joy Fowler,2003)
父の職場に行って、父をびっくりさせてやろうと思った。父の研究室だと思ってノックしたドアを開けたのは、知らない男の人だった。どの扉を開けても、廊下とドアがあるばかりだった。わたしは動物実験室のある地下に行くことにした。ネズミのケージがあった。
ケリー・リンクのアンソロジーに収録されているというのも何となくわかる。「物語」と「物語ること」と「生きること」が不可分で切実。スコット・アーノルドとは理不尽な暴力で、いなくなった動物たちは決して戻ってくることはない。
◆「シェイクスピアをイッキ読み」宮本あや子
シェイクスピアから印象に残ったセリフだけを抜き出してツッコミを入れるという企画。悲劇も喜劇も笑いのめしてます。
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