『L'amour for』André Breton,1937年。
難しいな。というより理解できん。
たとえば第三章なんて比較的わかりやすいんですよ。書かれてある内容を理解する、という意味においては。口絵の芸術作品についての解説みたいなところもあるので。しかし、である。う〜ん、これはなあ。こんな冗談みたいなことを真剣に考えてた人たちだったんだなあとは思うものの。まあわたしの感受性が鈍いだけなんだけどさ。
古川日出男と対談した吉増剛造が「Pink」という単語にやたら過剰に反応していたのを読んだときも、詩人ってのはやっぱり違うなあと思ったものだけど、常人にはわからんわ。
しかしブルトンの言っていることはわからなくとも、シュールレアリスム作品を見て「いいな」と思うのは確かなのである。
「愛のどんな敵も、愛がみずからを讃える炉で溶解する」。難解で詩的な表現をとりながら、美とえろす、美的感動と愛の感動とを結びつけ、執拗に考え抜く。その思考実験の果てに、あまりにも美しい娘(と妻)への、究極の愛の手紙が置かれる。(カバー裏あらすじより)
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