レーモン・クノー『文体練習』にインスパイアされた漫画版。
なぜか勝手に、複数の作家がそれぞれの作風でカバーしたのだとばかり思い込んでいたのだが、実際に読んでみると本家と同じく一人の手になるものでした。
むかし『コミック・キュー』でカバー特集ってのがあって、文字どおりカバーと呼べるものからパロディやコピーなどさまざまだったけれど、本書もそんな感じ。「文体」というからには、いわゆる「カバー」的なもの(文体をカバーした和田誠『倫敦巴里』のような)や、視点を変えるとか構成を変えるとかいうのを期待していたのだけれど、99篇あれば仕方ないにしても中には無理矢理なものもある。
ま、本書自体がもともとパロディなわけで、オリジナルがあると思って比較してしまうとどうしたって不利。パロディとして楽しめればよいかな。
ただそれよりも、この人、絵が下手だ……。こういう画風とかいう以前にデッサン力がないような……。
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