読んだものメモ。
・『黒い聖母と悪魔の謎 キリスト教異形の図像学』馬杉宗夫(講談社現代新書)……昔の絵がへんちくりんなのは別に下手だからなのではなく、「現実的空間より絶対的空間を求め」た結果であるらしい。キリスト視点の遠近法とか。白黒でつぶれているけれど、図版を見ているだけでも楽しい。→学術文庫で再刊。[bk1・amazon]
・『桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ』(創元ライブラリ)……本の趣味がけっこうかぶるので、読み逃した本チェックという邪道な利用法をしてしまった。『花岡ちゃんの夏休み』、『愛についてのデッサン』、『キリハラキリコ』、アメリー・ノートンとかをチェック。ウディ・アレンとダイアン・キートンみたいな小学生ってお洒落すぎる。
・『トマス・アクィナス『神学大全』』稲垣良典(講談社選書メチエ)……「神学大全入門」ではなく、「私は神学大全をこう読む!」というような内容でした。そうは言っても一般書なので、「自存する関係」→「交わり・即・存在」のように噛み砕かれてます。「聖なる教えは学であるかぎり、現実に、いかなる人によっても学ばれ、理解されることが可能である」。
・『他人を見下す若者たち』速水敏彦(講談社現代新書)……いつの時代にもある「最近の若者は……」シリーズ。「動機づけ」の専門家という立場から書かれているのが特徴。
『モンキービジネス』2009 Fall Vol.7 物語号(villagebooks)…… レベッカ・ブラウン×柴田元幸の音楽対談。
石川美南の歌集『物語集』。「池」ではなく「沼」なのが妙に説得力のある「食べ損ねたる手足を想ひ山姥が涙の沼を作つた話」、思わず笑ってしまった「「発車時刻を五分ほど過ぎてをりますが」車掌は語る悲恋の話」、とてもシュールな「身体中にココアぬられて替えたてのシーツ一枚だめにする話」、「そんな物語、あるある」とうなずいてしまった「騙ス気ハナカツタノダと叫びつつ谷底へ落つる男の話」、最後の一首できれいに幕。
----------------
『桜庭一樹読書日記』
オンライン書店bk1で詳細を見る。
amazon.co.jp で詳細を見る。
『モンキービジネス』07 物語号
オンライン書店bk1で詳細を見る。
amazon.co.jp で詳細を見る。