McG監督。クリスチャン・ベール(ジョン・コナー)、サム・ワーシントン(マーカス)、アントン・イェルチン(カイル・リース)、ヘレナ・ボナム=カーター(セレーナ)ほか出演。
お、なるほど。今後シリーズの基本設定だけを提供していろんな人にいろんな『ターミネーター』を作ってもらえそうな作品になってました。悪くいえば全然ターミネーターでない、とも言える。
時は未来。スカイネットと人類の戦いが始まっていた。その十数年前。死刑囚のマーカスは、医学博士のセレーナと取引をして、死後に献体する誓約書を交わしていた。スカイネットの爆撃により目覚めたマーカスは、未来の廃墟を彷徨し、まだ少年のカイル・リースに出会った。一方まだ一隊長に過ぎないジョン・コナーは、司令部が入手していた対スカイネット攻撃を実行役を買って出る。その際、自分とカイルがスカイネットの抹殺リストの上位に名を連ねていることも知った。ジョンの父であるカイルが死ねば、未来・人類は滅びてしまう。ジョンはカイルを探すため、機械に向かってともに立ち上がろうというメッセージを世界に向けて流した。メッセージを聞いたカイルは、マーカスらとともにコナーのもとを目指すが、途中でスカイネットの攻撃を受け、さらわれてしまう。一人助かったマーカスは、コナーのところにたどり着くが……。
始まって早々、抵抗軍VSスカイネットの戦闘シーンがあるのですが、実はこれが驚くほどつまらない。戦闘機やら機関銃やらは飛び交いまくって画面はめっぽう忙しいのですが、結局、こうなっちゃうと、あまたあるSF映画・戦争映画のその他1でしかなくなってしまうというジレンマ。アクションだけなら『3』の方が桁違いに上でした。
ターミネーターもものすごくダサいんです、旧型とはいえ。これじゃあ骨組ゴリラじゃん。着ぐるみ? 動きがもそっとしている(なめらかでもぎくしゃくでもない)うえに、ぶうんずうんというベタな効果音……。
未来が舞台なのでターミネーターは山ほどいるわけで、前3作とは違ってターミネーター・シリーズとはいえ特定のターミネーターにスポットを当てるわけにはいかないというこれもジレンマ。結局、ターミネーターたちのこの映画のなかでの役割はターミネーターではなくただの雑魚ロボットに落ちぶれてしまってました。がっかり。。。
最後まで見ればこの映画にも主役であるターミネーターは登場するのですが、ここらへんの辻褄は見ないことにしてあげるのが正解でしょう。一つだけ挙げると、たとえば捕虜にチップを埋め込むだけじゃ駄目なの? 答え:それじゃあ「ターミネーター」の映画になりません。もう一つ。いっそ新型の純粋機械じゃだめなの? 答え:それじゃあ「感動」の心臓移植ができなくなってしまいます。
とにかくターミネーターを主役にするために、相当無理して考えたのでしょう。今後このシリーズが未来を舞台に作られてゆく場合、どうやってターミネーターを主役にするのか、というのが一つポイントになりそうです。
終盤にはまさかのシュワミネーター登場(CG)。素っ裸で暴れまくり。でもすぐに皮膚が溶けて骨組みに。なかなか死なないターミネーター、というツボだけはしっかり押さえてくれていました。
ツボというか定番の、機械がヒューマニティに目覚めちゃうのも『2』以降のお約束。個人的にはうざったいのですが、繰り返されるということは一定層には需要があるのでしょうね。
あ、あと、人型のほかにも大型ターミネーターやバイク型ターミネーターが登場して、バイク型は案の定乗り回されてました。
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『ターミネーター4』