「Dix heures en chasse」Jules Verne

 わたしは狩人が嫌いだ。狩をやったこともなかった。だが友人のBrétignotに誘われて、狩に同行することになった。Maximonは残忍そうな男だった。Duvauchelleは老人だった。Matifatは狩人そのものだった。Pontclouéはその友人だ。ほかの人たちはよく覚えていないが、そのうち一人は確かBaccaraと呼ばれていた。狩の結果がいつも坊主だったからだ。わたしもそう呼ばれるのだろうか! 朝になるとわたしたちは進んだ。わたしは銃を肩に構えた。「撃つな!」「え? 山鶉じゃないんですか?」「あれは雲雀だ」。みんなは何も言わず白い目でわたしを見た。「余計なことはするんじゃないぞ」。二時間が経ったが、まだ一度も銃声を聞いていない。ダーン! 撃鉄を戻すのを忘れていた! 「山鶉か? どこだ?」「見失いました」とわたしは嘘をついた。ダーン! ようやく! だが一羽の獲物をめぐってMatifatとPontclouéが自分が撃ち落したと争っている。それからまたしばらく歩いた。山鶉だ! ダーン! 茂みから農夫が出てきた。右頬が腫れている。事故だ! 「こんな下手くそは……」みんながわたしを見た。わたしは治療費を差し出した。途端に農夫の腫れがひいた。くるみを飲み込んだのだ! 騙された! わたしは一人で歩き続けた。茂みに何かが隠れている! 兎か? 雉か? 撃て! 今度こそ命中した。犬がいないので自分で走った。……それは憲兵の帽子だった。幸いにも、持ち主の頭には乗っかっていなかったが。寝ていた憲兵が目を覚ました。「お前が撃ったのか? 帽子は高いんだ。それも無許可の発砲とあっちゃ」。一日だけ狩りに来ただけなので、許可はいらないと、いや、忘れていたのだ。「調書を取らねばならん」。わたしはピアニストである古い友人の名前を騙った。わたしは宿に戻った。七人で鶉一羽と山鶉二羽だった。PontclouéとMitifatはまだ喧嘩していた。MaximonとDuvauchelleも兎のことでやり合っていた。こうして狩りは終わった。その後、友人のピアニストが出頭命令を受けた。アリバイがなかったために罰金を払わされたそうだ。しばらくして二倍の金額が彼のポストに届けられたとだけつけ加えておこう。初めに言ったとおり、わたしは狩人が嫌いだ。それも狩の話をしている人が。なのにわたしは狩の話をしたばかりである。お許し願いたい。あれが最初で最後なのだ。

 「狩りの十時間」だなんて、『気球に乗って五週間』『八十日間世界一周』『二年間のヴァカンス』みたいだ――たった十時間だから短篇だけど――と思い、読んでみたものの、冒険ものではなく、素人ハンターの失敗譚でした。

  


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