『ビッグコミックオリジナル』2012年9月5日、『恋と成(1)』東谷文仁(時鐘舎)、『仮面ライダーZO』島本和彦(双葉社)、『いばらの王』全6巻 岩原裕二(エンターブレインBeam Comics)

MASTERキートン Reマスター(3)マリオンの壁」浦沢直樹長崎尚志 ――パリ第一大学で考古学を教えるベコー教授は、授業の見学に来ていたキートンと旧交を温める。トロイア戦争の謎を解き明かすことに生涯を捧げているベコーだったが、前妻マリオンとの間にできたわだかまりは解けなかった……。

 今回はオプのキートンではなく、考古学者の顔で登場です。トロイア遺跡のジオラマの二人、楽しそうだな。百合子が大学で講師をして結婚しているというのには驚きましたが、そうか「あれから二十年」ですか……。

『恋と成(1)』東谷文仁

 石川県の地方出版社から出ているのでご当地マンガかと思ったら、『黒いラブレター』同様のギャグ漫画でした。「恋と成(こいとなる)」というわりに恋(小松恋路)の方は出番が少なく、成(原我成久)が周囲の変態にツッコミを入れまくる展開。

仮面ライダーZO』島本和彦

 『吼えろペン』の島本和彦仮面ライダーを手がけていると知り、購入。一話目「仮面ライダーBlack」は、ライダーを倒すべく造られた偽ライダーの苦悩を描く。著者が真面目なのかギャグのつもりなのか判じがたいのですが、著者特有の熱さゆえ、シリアスさえも笑ってしまう。「仮面ライダーZO」は一転して意識的なギャグ漫画。改造人間のライダーの前に、100%人造の完全体が現れる。石ノ森章太郎のアシ漫画「天下統虫物語」併録。

いばらの王岩原裕二

 ――人が石化してしまうメドゥーサという奇病が蔓延した世界。治療法が見つかるまでのあいだ、選ばれた者たちがコールドスリープで眠ることになった。だが目が覚めた世界には巨大なイバラがはびこり、恐竜のような怪物が襲って来た。生き残った者たちは治療法と逃げ場所と真相を求めるが……。

 乙女が主人公なので真相が乙女チックなのはわからんでもない。黒幕が地味にしょぼいのもまあよい。謎が謎を呼ぶ展開に、探求、遁走、脱出、格闘、銃撃……インディ・ジョーンズポセイドン・アドベンチャーの世界が漫画になったような楽しさでした。太めの線で描かれるアクションシーンは迫力があります。

    


防犯カメラ