『アバンチュリエ』(4)森田崇(講談社イヴニングKC)、『つらつらわらじ』(4)オノ・ナツメ(講談社モーニングKC)

アバンチュリエ』4

 第四巻からは、題名こそ有名なれど実は凡作の『ルパン対ホームズ(ショームズ)』がスタート。元がつまらない作品こそ、森田氏の力量が問われるところです。基本的にルパンが「追う側」じゃない作品はつまらないものが多いんですよね。セコくて。この漫画版では、原作ではいいイメージなしのショームズの方が、むしろかっこいいくらいに描かれています。一方でこれまでの巻と比べて、ギャグめいた場面が増えました。キャラたちの人間味を出そうという意図があるのか、シリアスだけでは料理できないほど原作が凡作なのか。

つらつらわらじ』4

 岡崎での野営の続き&老中松平定信&富士山&天狗。嫌がらせをされて宿に泊まれず、野営する熊田家一行。ことは当然老中の知るところとなり……。老中と殿様は、相容れないながらも、互いの才能は認め合っている様子。一つのきっかけで「隙間」がなくなってしまう場面があることで、融通の利かなそうな老中にも人間味が。天狗のエピソードはちょっとベタでした。和泉家老がもやもやした違和感の正体に、とうとう感づき始めたようです。もうそろそろ終わりも近いのでしょうか。

  


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