『S-Fマガジン』2015年4月号No.708【2000番到達記念特集 ハヤカワ文庫SF総解説 PART1[1〜500]】

 隔月刊になってからの一号目。なのにいきなり文庫総解説と連載ものばかりで、読むとこない。。。

「ハヤカワ文庫SF総解説 PART1[1〜500]」
 豪華執筆陣によるハヤカワSF文庫の総解説。円城塔新城カズマといった小説家のほか、東雅夫西崎憲といった幻想文学サイドの方まで、多彩な顔ぶれです。執筆者索引も付いているので、好きな執筆者のものだけ読むも良し、著者索引も付いているので、好きな作家の作品解説だけ読むも良し、すべて通して読むも良し、です。小山正氏のような独自の視線とこだわりのあるコメントを書く執筆者のものは何を読んでも面白いです。執筆者によって、内容には触れずに自分語りをしている人もいれば、単なるあらすじ紹介だけの人もいて、解説の内容もさまざまです。

大森望の新SF観光局(44)ケーキ ケーキ ケーキ」
 タイトルはつまり、cakes によるweb週刊SFマガジンのことです。

「書評など」
プリデスティネーションは、ハインライン「輪廻の蛇」の映画化。イーサン・ホーク主演。「ごく短い小説を、ほとんど何も足さず何も引かずに、それでいて独自の充実した長篇映画にしてみせた」という添野氏の紹介文が面白そうです。一方の『神々のたそがれ』は、ストルガツキー兄弟『神様はつらい』の映画化。「SFとしての説明がまったくない」「あまりにも規格外の作品で、映画は安全な娯楽だと信じている人には絶対にお勧めできないが、原作を知る人はぜひチャレンジしてみてほしい」だそうです。

未来の文学『ドリフトグラス』ディレイニー、『機龍警察 火宅』月村了衛、『輪廻の蛇』ハインライン、『図書館の魔女 烏の言伝』高田大介など。
 

「よい狩りを」ケン・リュウ古沢嘉通(Good Hunting,Ken Liu,2012)
 

「乱視読者の小説千一夜(46)解読できないコード」若島正
 

 ほかはほぼすべて連載小説+連載エッセイでした。

  


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