『S-Fマガジン』2009年1月号No.633【ウィリアム・ギブスン特集】

 ニューロマンサー』25周年か。翻訳も80年代なんですね。う〜ん、わたしがSFに手を出してみた90年代もまだ本屋はサイバーパンク一色で、うんざりしてSFを読まず嫌いした記憶があったのだけれど、あれはただ単にそこの書店員の趣味だったのだろうか。

ギブスン・インタビュウ、巽孝之伊藤計劃ほか評論、小谷真理高野史緒ほかエッセイ
 読んだことがなくこれから読むこともないであろう作品/作家についての評論を読むというのは、ある意味では面白い。たとえギブスンがこの世に存在していなくとも、たぶんわたしは困らない。それくらいギブスンについて無知です。それが地球温暖化か世界経済かと思うほどの熱い真剣さで語られているのだから、それだけで「架空の存在についての評論」というほとんど異世界/改変歴史SFである。そこにガーンズバックというさらに知らない名前(※)が引用されるのだから、たまりません。(※ヒューゴー賞ヒューゴーさんのことだそうです)。ギブスンについて無知であるがゆえに、手の込んだ法螺話みたいでめちゃくちゃ面白かったです。
 

「My Favorite SF」(第37回)片理誠
 『夏への扉ハインライン

「映画『WALL.E/ウォーリー』誌上公開」アンドリュー・スタントン監督インタビュウ

「おまかせ!レスキュー Vol.127」横山えいじ

「ジピと偏執狂のソフト」ニール・スティーヴンスン日暮雅通
 

「SFまで100000光年 64 ソノウソホント」水玉螢之丞
 若いころのジム・キャリーに『すごいよ!マサルさん』って大爆笑してしまった(^_^).

「SF BOOK SCOPE」林哲矢・千街晶之牧眞司長山靖生・他
『水と夢』ガストン・バシュラール学術書。著者はもともと「主観的な思い込みや文化的伝統が、自然科学の発展過程でその正しい認識を曇らせる障害となってきた歴史を研究していた。それがいつしか、科学的認識すら凌駕する人間の想像力、その詩的イメージの広がりと変容そのものについて考察することに没頭するようになっていった」のだそう。で、本書は四大元素のうち「水」について研究したもの。面白そうなんだけどな。学術書は値段が高いんだよね。。。
 

「SF挿絵画家の系譜 34江口まひろ大橋博之

「サはサイエンスのサ 166」鹿野司

「センス・オブ・リアリティ」

◆「バケツ一杯の空気」金子隆一……最新の科学豆知識も得られるからこの連載は楽しみです。今回は大気中の酸素出現の時期。


◆「小室哲哉という新自由主義の終わり」香山リカ……小室世代がショックを受けて診察に行くって。。。直接の師弟関係があったわけでもないだろうに、人間そんなもろいものなのか。
 

「SFと宇宙の楽しみ」瀬名秀明×平谷美樹×鹿野司×土佐誠

小林めぐみインタビュウ」
 『回帰祭』刊行記念。レビュウでわりと取り上げられていた気がするので意外ですが、早川書房初登場につき。
 

「MAGAZINE REVIEW」〈アシモフ〉誌《2008.6〜2008.9》深山めい

大森望の新SF観光局」1 バリントン・J・ベイリーのいない世界

「キオスク」ブルース・スターリング小川隆
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