『ファースト・サークル』坂本壱平(ハヤカワ文庫JA)★☆☆☆☆

 SFマガジン2014年3月号のインタビューで、フィニイや異色作家短篇集が好きと答えていたうえに、初期ファンタジーノベル大賞を思わせる幻想小説とインタビュアーが言っていたので読んでみましたが……。

 幻想小説というか、オカルト小説ですね。それも自己啓発系のうさんくささ。

 凝っているくせにちっとも美しくも個性的でもない、引っかかりのある独特の文章がまた相性が悪かったです。

 第一回ハヤカワSFコンテスト最終候補作。

 何気なく見ていたテレビから流れだした奇妙な手拍子。気がつくと「私」は、いつの間にか頭を失っていた……。いっぽう、精神科医の満ちるは、ある日患者・小川少年のケアを依頼される。主治医の松下とともに面会した彼女は、少年の手のひらにあいた穴の存在に気づいた。その刹那、奇妙な手拍子が病気に響きはじめ、満ちるたちは謎の空間へと飛ばされてしまう―重なりあうふたつの不思議を描く、新世代の幻想小説登場!(カバー裏あらすじより)

  


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