『閉ざされた夏』若竹七海(光文社文庫)★★☆☆☆

『閉ざされた夏』若竹七海光文社文庫

 1993年初刊。

 学芸員が主人公の文学記念館が舞台のミステリです。探偵役はミステリ作家でもある妹が務めています。

 後半になると浅木知佳ばかりが目立ってくるので、ほかの同僚や職場に悲劇が訪れてもあまり悲愴感が感じられませんでした。

 連続放火未遂事件と殺人事件【の死体移動】のどちらも【記念館を閉館させるため】というのはスマートです。作家の知り合いが過去の秘密【※作家の妹との不倫】を葬り去ろうとするという動機も、当事者視点ではなく学芸員視点ではなかなか見えないところです。

 夭逝した天才作家の文学記念館で、奇妙な放火未遂が相次いだ。和気あいあいとした記念館の雰囲気は一変し、職員たちの言動にもおかしな様子が……。

 新入り学芸員とミステリ作家の兄妹が、謎を追い始める。そんな折り、同僚の一人が他殺体で発見された! 事件を解くカギは、天才作家の過去に⁉ ユーモラスでいて切なくほろ苦い、傑作青春ミステリ。(カバーあらすじ)

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 閉ざされた夏 


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