『動物妖怪譚』(下)日野巌(中公文庫BIBLIO異の世界)★★★☆☆

 上巻で扱われていたのは完全に想像上の動物だったけれど、下巻になると「狐」とか「猫」とか、現実にも存在する動物が扱われている。けれどやはり著者は植物学の専門家なのだろう、あまり切れ味はよくない。

 海蛇はそんなに大きくないから「わに」は海蛇ではない、というわかったようなわからないような理由によって海蛇説を否定している。まあ現在主流の説から言えば結果的に著者は正しいわけではあるのだが……あまり説得力はない。。。

 付録の妖怪名彙が充実している。
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