『ランドルフ・メイスンと7つの罪』メルヴィル・デイヴィスン・ポースト/高橋朱美訳(長崎出版Gem Collection 13)★★★☆☆

 『The Strange Schemes of Randolph Mason』Melville Davisson Post,1896年。

 悪徳弁護士のアドバイスにより当時のアメリカの法律の穴をかいくぐる倒叙っぽいシリーズ。しかし『アブナー伯父』のポーストなんで、とても地味。へえ〜そうなんだぁという面白さはあるが、わくわくどきどきとかミステリ的な大どんでん返しとかからは縁遠い。

 ランドルフ・メイスンというキャラも、せいぜい一話目でチェスのエピソードがあったくらいで、以後はほとんど無色無臭の存在です。

 とはいえ「罪体」は一話目ということもあって読者の興味を惹こうとしたのか殺人を扱っていて、その殺人描写がエグイ。下手なホラーもまっつぁおです。

 でも基本的にほとんどの作品がそれこそ詭弁みたいな話ばっかりなので、ミステリを期待するとしりすぼみ。ほとんどがお金儲けの話なので、いかにして犯罪すれすれに金を掠め取るか?という面白さはあります。当時それだけお金がらみの犯罪が多かったのでしょうか。

 法と戯れるミステリ史上初の悪徳弁護士登場。法の抜け道を探り、罪人を助ける弁護士――ランドルフ・メイスン。知識と知性を勝ち得た男に死角はないのか? 出版当時、社会に大きな波紋を投げ掛けた問題短篇小説。(帯惹句より)
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