『百鬼夜行抄』「毒の皿」今市子
――行方不明の開の身を案じ、警察に捜索願を出した環。身許不明の死者が見つかるたびに、確認におもむくが……。開ではないとわかって、がっかりするべきなのか、ほっとすべきなのかも、わからなくなってきて……。
今回はあんまり百鬼夜行抄っぽくない、ふつうの怪談。扉カットの和服の人は、妖怪ではなく司ちゃんなのか……な?
早くも『コミックシンカン』Vol.3が発売予定。11月19日。今回もオガツカヅオ、川原由美子、未知庵、内田春菊、オオタガキフミが寄稿。
さらに『ネムキ』来月号ではオガツカヅオ「りんたとさじ」が復活! 待ちわびてました。
今月号はゲスト寄稿が多かったので未知の才能に期待したのですが、いまひとつ。吉川うたた「くにのまほろば」は、南国の神社に祀られた神様を回収に行く話。猪川朱美「空鳥《ぬえ》の絵師」は、描かれたモデルを死なせてしまう才能を持った絵師の話。
「コトノハヒラ」結布《ゆう》
――家出した少女は、紅葉の林のなかで道に迷い、「先生」の住むお屋敷にたどり着く。自分は手品師だと語る先生は、少女の手のひらに紅葉の葉っぱを乗せる。「人はね 伝えたい大切な言葉をかくしていると 左手に宿るのさ」と言いながら……。
新人さん。ゲスト寄稿作のなかでは一番よかった。伝えられなかった言葉によって取り戻せない時間を失ってしまう話ならよくあるけれど、そうではなく「伝える」ということだけに焦点を当てた描き方がよかったです。
『未知庵の三時のお水』「こうたさん」
迷惑そうな猫(?)バスが(^_^。
『ななめの音楽』「#10 Dumped Doll - Sunken Sky」川原由美子
――まな希の代わりにこっそり香椎機「震炎」に乗り込むことにした光子。震炎は一人乗りのため、単方向通信ゴーグルを着けて光子の視界と音を共有するこゆる。操縦士たちの言葉はこゆるにはわからないけれど、楽しそうなのはわかった。だがこゆるには、彼らのような翼がない……。
次号はとうとう最終回。今回はどういうことかとびっくりするようなシーンで終わっていたので次回が待ちきれない。キャップをぱかっと開くように見えるタイプの携帯電話が出てきて、面白い発想だと思いました。
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『ネムキ』2010年11月号
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