『それでも町は廻っている』石黒正数(ヤングキングコミックス)、『鋼の錬金術師』荒川弘(ガンガンコミックス)

それでも町は廻っている

 著者は『第七女子会彷徨』に推薦文を寄せていたので前々から気にはなっていたのですが、『メフィスト』連載の『外天楼』が知的を装った感じで好きではなかったので、しばらく読まずぎらいでしたが、読んでみたらたちまちはまりました。

 ジャンル分けするなら、日常ギャグ、ということになるのでしょう。ボケよりもむしろツッコミにキレのある漫画、というのは珍しいかも。

 儲かるからと安易にメイド喫茶を営業してしまうおばあさん。ストーリーにほぼ無関係にメイド喫茶を舞台にしてしまう作者と重なります。こういうようなところが『外天楼』の場合には鼻についたのかな。まぶされたネタの数々も、ペダントリーというよりは愛情を感じるものばかり。

 すでに魔性の入っているエビちゃんとうぶなタケルのエピソードが楽しみでした。

鋼の錬金術師

 ふつうの少年漫画だったら、主人公の少年が「おれは大総統になる!」みたいな話になっていたはず。政治の部分はクールなマスタング大佐に分割することで、単細胞な話になることが避けられていました。ホムンクルスのデザインが秀逸です。

  


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