『ミステリー・ゾーン DVDコレクション』20・21

ミステリーゾーン』20「遠い道」「栄光の報酬」「鏡」

「遠い道」(The Passersby,1961.10.6,第69話)★☆☆☆☆
 ――南北戦争から引き上げる途中、アビー軍曹は、夫の還りを待つ妻ラビーニアと出会った。頭を撃ち抜かれたはずの友人の夫や、死んだはずの北軍の中尉が次々に現れ、やがて夫も姿を見せたが……。

 何のひねりもありませんし、ドラマ性も取って付けで、最後に○○○ー○を登場させたかっただけなんじゃ。。。
 

「栄光の報酬」(A Game of Pool,1961.10.13,第70話)★☆☆☆☆
 ――世界一に憧れるジェシーカーディフの前に、死んだはずのファッツブラウンが現れた。死ぬか生きるかを賭けてビリヤードの勝負を始めることになった。

 途中からちょっと説教臭く、最後にいたっては「ああその通りだね」としか言いようがなく……。
 

「鏡」(The Mirror,1961.10.20,第71話)★★☆☆☆
 ――クレメンテ万歳! 革命は成功した。だが独裁者はクレメンテに向かいこう言った。「暗殺者の恐怖に怯えるがいい。この鏡には暗殺者が映るのだ」

 ピーター・フォーク主演。別の作品では赤狩りを諷刺していたスターリングですが、この作品ではあからさまにカストロを思わせる革命家を批判的に描いていて、何だかなあという感じです。四人目の同志クリストが死んでしまうところでちょっと盛り上がったものの、急ぎすぎの結末でぐだぐだになってしまいました。次の「墓」にも言えることですが、説明しすぎな嫌いがあります。
 

ミステリーゾーン』21「墓」「子供の世界」「亡霊裁判」

「墓」(The Grave,1961.10.27,第72話)★★☆☆☆
 ――悪党ピント・サイクスが町中の男に囲まれて撃ち殺された。コニーは長くピントを追っていながら、ピント怖さにわざと追いつかなかったのではないか――挑発されたコニーは一人ピントの墓に向かった。

 リー・マーヴィン主演。町の住人もピントの妹も、なんで寄ってたかってこんなにもコニーをいじめるんでしょうか。当てがはずれた住人はともかく、仇でもなんでもない妹が敵意まるだしなのは意味不明です。臆病者の肝試しの結果は、せっかくのオチだったのに、言わずもがなの二通りの解釈を妹が言葉にして台無しにしてしまいました。
 

「子供の世界」(It's a Good Life,1961.11.3,第73話)★★★★★
 ――ピークスビル以外の町がアメリカから消えてしまったのは、怪物の仕業だった。怪物の名はアンソニー・フリーマント。町の人々はこの六歳の少年から嫌われないようにびくびくしていた。アンソニーは気に入らないものを次々と「埋めて」しまうのだ。

 超能力を持った少年に町が支配される恐怖を描いた作品です。ダンおじさんの場合を別にすれば、超能力は直接的には描かれず、周りの大人たちの怯えとおべっかという形で心理的に表現されています。特殊効果がまだ今ほど発達していなかった時代に、超能力を映像で見せてしまっては恐らく興醒めだったことでしょうから、これはよい選択だったと思います。子どもに表情がないのも不気味さを際立たせていました。
 

「亡霊裁判」(Deaths --Head Revisited,1961.11.10,第74話)★★★★★
 ――シュミットはかつてルッツという名でナチスの大尉をしていた。そして今、収容所のあった思い出の町を訪れていた。拷問を楽しんだ日々を懐かしく思い出していると、目の前に捕虜の代表だったベッカーが現れた。

 ルッツとベッカーの会話の途中に、風のような、遠吠えのような叫びが二度挿入されるのが、じわじわと不安を高め、効果的でした。ルッツの残虐ぶりと、拷問するくらいなら殺してくれと訴えるベッカーの言葉が、生々しく、ミステリー・ゾーンのほかのエピソードにはない現実感と恐怖を生み出していました。

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