『闇の展覧会―霧』カービー・マッコーリー編(ハヤカワ文庫NV)

 幻となった第ゼロ期ナイトランド叢書の刊行予定に、デニス・エチスンの短篇集が含まれていたこともあって、どんな作家かと試しに読んでみることに。取りあえずデニス・エチスン「遅番」、デイヴィス・グラップ「三六年の最高水位点」の二篇だけを。どちらもオーソドックスなモダン・ホラーです。
 

「遅番」

 深夜上映の『悪魔のいけにえ』を観た帰り道のこと。マクリンとホワイティは、24時間営業のストップン・スタート・マーケットへ立ち寄る。生気のない面持ちでレジに立ち、客の応対に「どうぞ、どうぞ。すいません、ありがとう」とつぶやき続ける男。それは2人が大学時代に通ったメキシコ料理店<ママ・カルニータズ>のウェイターだったフワーノではないか。気さくに話しかけたものの、フワーノは「すいません、すいません」と応えるばかり。どうにも腑に落ちないホワイティは、夜勤明けのフワーノを訪ねるが、交通事故を起こして入院する。連絡を受け、病院へ駆けつけたマクリンは、ベッドに横たわるホワイティの腕に戦さ化粧のような幾何学模様が描いてるのを見る。ホワイティはネイティブ・アメリカンだが、いまさら愚にも付かないことをするのは妙だ。真相を探るため、フワーノを待ち伏せるマクリンだったが……。(あらすじ紹介サイトより)
 

「三六年の最高水位点」

 僕にとっての初恋の女性、ロルは不思議な女性だった。月齢によって、老婆のようにも、輝くような美しい女性にもなることができる。それだけではなく、彼女はその年の天候を予言し、川の水位がどこまで来るかを言い当てることが出来たのだ。そして、ありえないと思われたあの年の予言も、とても奇妙な形で実現したのだ。(あらすじ紹介サイトより)

  


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