『超こち亀』秋本治/さいとう・たかを/モンキー・パンチ/鳥山明他(集英社)★★★☆☆

 豪華です。

 豪華なんですけど……。う〜ん、豪華なだけなんですよね。特番みたい。メンバーは豪華なんだけれど内容はそれほどでもないっていう。

 いや、実際豪華なんです。コラボ漫画はどれも面白かったし、対談も(人選はどうよって思うのもありますが)面白い裏話なんかが聞けたし。漫画家さんたちからのお祝いイラスト漫画も、まあ総数のわりには当たりが多かったと思います。

 でも……でも……めちゃくちゃ面白かった!!!と人に勧めるには歯切れが悪くなってしまふ。

 ファンなら買っておいて損はないとは思うけれど。

 なんか微妙にネガティブな感想になってしまったので、ここからは誉めときます。

 コラボ漫画。これはよい!

 『ゴルゴ13』はさすがに“からむ”のは難しかったみたいだけど、作風のまったく違う二作がよくコラボできたものだとは思います。冷静につっこむと、ゴルゴ、商売道具を間違えるなよ……世界一のスナイパーだろ……とか思ってしまった。ある意味おちゃめなゴルゴです。

 『ルパン三世』。泥棒と警察ですから、ある意味いちばん幸せな組み合わせ。ルパンものの一篇だと言ってもこち亀の一篇だと言っても違和感がないです。五右ヱ門をシルエットだけにしたのは何か意味があるんでしょうか? なんか不思議な感じがしました。

 『キン肉マン』はルパンとは逆に、プロレスと警察ですからからみようがなかったんでしょうね。キン肉マンの面々が強引に派出所に登場するような作品になっていました。でもまあリアルに考えるとウォーズマンはそりゃあれだわな、とは思いましたが。

 『ドラゴンボール』のネタは、鳥山さん一度似たようなのを『月刊ジャンプ』でやってたような……。『月刊ジャンプ』の世界に迷い込んでしまったベジータがひとこと「だからギャグ漫画は嫌いなんだ」とか言うやつ。まあこっちの方ができはいいからいいんですけどね。鳥山氏ももともとギャグの人だから、絵柄的にもストーリーの運び的にもまったく違和感がない。

 五人でコラボ漫画は、ほとんど秋本&うすたの合作ですね。ほかはキャラを貸しているだけの感じ。ほかのファンにはものたりないでしょうが、これが一番おもしろいことのできる組み合わせだったと思います。後輩なのに、先輩との合作で先輩のキャラをパロれるのが凄えと思ってしまった。ギャグものならともかく人情もののパロディですからね。まあそれで文句を言うようなケツの穴の小っこい人なんてそうはいないとは思いますが、普通は後輩の方でためらいがあるものだもの。
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