『ミステリマガジン』2008年11月号No.633【特集 ミステリ小説作法】

 特集は「ミステリ小説作法」とあるが、まあ実際の作家志望者が参考にするというよりは、各作家のスタンスが確認できるエッセイのようなものかな。クロフツ、バークリイ、コナリー、ブロック、ホックの「作法」が掲載されてます。
 

「苦いアーモンド」A・B・コックス(アントニイ・バークリイ)/小林晋訳(Bitter Almonds,A. B. Cox,1926)
 青年が列車で出会った娘は……。
 ミステリの、それも古典ミステリのファンならタイトルだけではは〜んと思ってしまうわけだが、手の内を明かされながらも戦慄してしまいます。

「処女作」鳥飼宇否
 女子大生処女懐胎の謎を〈ノックスの十戒〉に従って解き明かす。
 ノックスの十戒を縛りにしたとことんゲーム的な作品。フェアな謎解きというよりは、そのパロディな感じ。

「そこに残るアメリカ」小鷹信光×片岡義男
 アメリカを神聖視(?)しているところには、やはり何まわりもの世代を感じるなあ。

「ポリシエの迷宮を訪ねて(1)」小山正
 フランスミステリ紀行。

「迷宮解体新書11 仙川環」村上貴史

「私の本棚11 桂美人」
 

「エルヴィス・フォンは死んだ!」リン・ディン/柴田元幸(Elvis Phong is Dead!,Linn Dinh,2004)
 考えてみると早川書房は海外文学もたくさん出版しているのに、その受け皿の雑誌がないんだねえ。ということで、今月は『ミステリマガジン』『SFマガジン』二誌にわたってリン・ディンの短篇掲載。これからもガンガンこういうのやってほしい。短篇集『血液と石鹸』刊行に合わせた企画。よくわからんがアメリカに対する愛と皮肉に満ちているように思う。

「すいません、チーフ(中篇)」ウィリアム・ジョンストン/富永和子訳(Sorry Chief,William Johnston)
 前回の続き。こういう強引な笑いでこの長さはキツイなあ。すでにだれてきた。

「誰が少年探偵団を殺そうと。」03 千野帽子

「新・ペイパーバックの旅 第32回=思い出のポケット・ブックス」小鷹信光
 

「書評など」
『魔女物語』テッフィはロシアの作家。◆『ライト』M・ジョン・ハリスンはバリバリのSFだそうです。
 

「独楽日記 第11回 あんまり怖すぎないクラウス・バルビー」佐藤亜紀
 ああ、ナチのイメージってそうだよねえ、と深く納得。
 

「お茶の間TV劇場」03 千葉豹一郎「ハワイアン・アイ」
 

「シャーリイ・ジャクスン賞」の受賞作が気になるなあ。長篇賞『Generation Loss』エリザベス・ハンド、ノヴェラ賞「Vacancy」ルーシャス・シェパード、ノヴェレット賞「The Janus Tree」グレン・ハーシュバーグ、短篇賞「The Monsters of Heaven」ネイサン・バリングラッド。翻訳されないかなあ。
 

「夜の放浪者たち 第47回=木々高太郎『人生の阿呆』)」野崎六助
 

「夢幻紳士 回帰篇(第三話 沼)」高橋葉介
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  『ミステリマガジン』2008年11月号
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