『アフタヌーン』2012年12月号

 今月から市川春子の連載がスタート。来月からは四季賞「乗る男」の著者による連載もスタート予定。

宝石の国』(01)「フォスフォフィライト」市川春子
 ――人体組織が鉱物で構成されている人々の住む星には、月から「宝石」を求めて人狩りが襲ってくる。仲間たちが戦いに従事するなか、人一倍身体のもろいフォスだけは戦いに参加することができなかった……。

 初連載。著者の作風からは連載というイメージが湧かなかったのですが、戦闘と少女の成長が軸になっていきそうな雰囲気です。宝石の国の「先生」も、月の人も、仏教ふうの外見をしており、そこにいつもどおりの市川少女が存在することで不思議な空間が生まれています。
 

おおきく振りかぶって』(94)「秋季・地区大1回戦8」ひぐちアサ
 ――「オレに回してほしい――」秋丸は三橋のストレートを攻略したいと決意するが……。

 榛名といることで仕舞い込むことにしていた感情を、思い出した秋丸。もちろん急に覚醒したところで、技術は追いつかないわけですが……。
 

げんしけん 二代目』(81)「失恋ピエロの悶絶」木尾士目
 ――ようやくちゃんと「失恋」した斑目。居合わせたげんしけんのメンバーたちは、それぞれ彼らなりに斑目を慰めようとします。

 
 

BUTTER!!!』(29)「はじめなきゃ」ヤマシタトモコ
 ――大会終了後。来年に向けて動き始めた一年生たち。ところが悪意のある動画が……。

 先輩たちはひとまず引退(のはずでしたが)。これからは一年生中心になりつつやっぱり先輩二人もからんで来てくれそうです。
 

『冒険エレキテ島』鶴田謙二
 ――砲撃されたみくらの前に現れた謎の老人たち……。

 というところでお終い。三か月連続掲載の最終回。続きはいつになるのやら。
 

無限の住人』(217)「未知生、焉知死」沙村広明
 ――天津に一太刀浴びせた卍。長かった戦いについに終止符が……。

 これが目的だったはずなのに、こんな最後は予想していませんでした。早い話がそれくらい当初とは別の物語になっていたわけで。最終回まであと三幕。
 

「サムライのあと」田沢ユタカ
 ――維新後。失脚した直参旗本たちは薩摩者たちのいじめに遭っていた。千さんはそんな理不尽に耐えかね、士官学校をやめ、だらだらと日々を過ごしていた……。

 2011年春の四季賞コンテスト特別賞受賞作家による読み切り。なんでか最初の数ページだけ絵がすごく下手くそに見えます。侍の矜恃だけが矜恃ではない、という当たり前のことに気づけないというか、気づきたくないんですよね、特に侍というものに幻想を持っている現代人にとっては。
 

ハトのおよめさん』ハグキ
 いきなり最終回。連載漫画がいつの間にかバトル漫画になってそのまま終わってしまうというパターン自体のパロディなのか?

『リマスターズ』(10)「girls power」みやざき明日香
 またもやボーカル対決。今回の相手は歌姫。

『午後のお花屋さん』(5)「monthly」(6)「rain song」友沢マサオ
 シリアスな、生理の日に暴力的になって鉢植えを男に投げつける女、と、ド変態な、彼女の小便の音を聞くのが好きな男、の二篇。

 


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