今年の幻想と怪奇特集は「天使と悪魔」。
怪談よりもショート・ショートのような話が多い。もっと怪談を読みたかった。
「天使が来たりて」井上雅彦
「霧屍疽村の悪魔」三津田信三
「これだけは知っておきたい天使と悪魔の基礎知識」森瀬繚
「刑罰」ヘンリイ・スレッサー/深見弾訳(The Penalty,Henry Slesar,1962)
――天使ジョン・マシュウ・クレスの罪に対し、聖ダビデが判決を言い渡す。
「悪魔はあくまで悪魔である」都筑道夫
「天使と悪魔と人間と」古山裕樹
「ミリアムの奇跡」セシル・スコット・フォレスター/横山啓明訳(Miriam's Miracle,Cecil Scott Forester,1954)
――SS大隊指揮官のシラーは所長をつとめる強制収容所が、第三帝国の規範となるよう、日々努力を重ねていた。一方、捕えられたユダヤ人のミリアムは、悪を打ち倒すための奇跡が必ず起こると信じていた。
悪魔のような、という比喩的な意味合いのようでもあり、神の奇跡を信じる話なのだから本物の天使や悪魔と無関係とも言えず。
「ボールを追って」ジョン・コリア/東野さやか訳(After the Ball,John Collier,1943)
――品行方正なディキンソン氏の目の前に現れた悪鬼の企みは……
「デイヴィッド・ゴードン来日インタヴュー」
「迷宮解体新書 66 岡崎琢馬」村上貴史
『珈琲店タレーラン』の著者。
「書評など」
◆二作目にしてマンネリ化していた『特捜部Q』シリーズ、第四作『特捜部Q カルテ番号64』はさすがに「ベクトル転換」しているそうです。ひさびさの〈短篇小説の快楽〉『パウリーナの思い出に』ビオイ=カサーレス、SFマガジンに連載されていた宮内悠介『ヨハネスブルクの天使たち』といった小説好きにはたまらない二冊。