『ミステリマガジン』2014年8月号No.702【幻想と怪奇 乱歩生誕12周年】

 乱歩「目羅博士の不思議な犯罪」とその前後の影響関係にあるエーヴェルス「蜘蛛」(浅野玄府訳)、エルクマン=シャトリアン「見えない眼」、竹本健治「月の下の鏡のような犯罪」、解説・新保博久「乱歩輪舞」が掲載されています。

「ポーと乱歩の二十一世紀」巽孝之
「フランスにおける江戸川乱歩の世界」都・スコロンブ
「屋根裏の同居者」三津田信三

「風鈴」マージェリー・アリンガム/小林晋訳(The Wind Glass,Margery Allingham)
 チグウェル父娘に一方的なプロポーズを断られた柳瀬氏は、お別れに風鈴を贈って日本に帰国した。

「甦ったヘロデ王」A・N・L・マンビー/羽田詩津子訳(Herodes Redivivus,A. N. L. Munby)
 友人の家にあった稀覯書『甦ったヘロデ王またはナントの残虐な怪物ジル・ド・レ』。わたしは高校生のころ、その本の持ち主だった古本屋レイスの許で恐ろしい体験をした。店に閉じ込められたものの、店に入ってきた牧師に助けられたが、同じような状況下で行方不明になっている高校生がいると知り……。

「アンソロジーこそ命なりせば」紀田順一郎
「「魔人ウニ・ウス」の行方――橘外男「ムズターグ山」変遷考――」谷口基

 「『探偵小説四十年』史観」という表現が秀逸。
 幻想と怪奇特集はここまで。
 

「書評など」
〈予期せぬ結末3〉ロバート・ブロック『ハリウッドの恐怖』、南米のポケミスネルーダ事件』、幽怪談文学賞受賞作『常夜(『天竺』改題)』石川緑。幽怪談文学賞では、選評で面白そうだった『この世の富』も『きんきら屋敷の花嫁』と改題されて(改悪では――?)すでに刊行されていたんですね。

「ミステリマガジン創刊700号記念トークショー小鷹信光×片岡義男×田口俊樹×池上冬樹

 


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