『志村貴子イラストワークス』志村貴子(エンターブレイン)★★★★★
『ぼくは、おんなのこ』『敷居の住人』『ラヴ・バズ』『放浪息子』『青い花』ほかから、主にカラーイラストが掲載されています。志村貴子によるコメントと、リレー漫画付き。漫画も好きなのですが「絵」自体が好きな漫画家さんなので、大きな絵で見られるのは非常に嬉しい。著者はやたらと謙遜していますが、やっぱり水彩は神がかってます。『放浪息子』『青い花』以降が特に。どうやったらこんな色遣いができるんでしょう。珍しいところでは、販促用ポップとかアニメ台本表紙とか休載コメントのイラストとか、志村貴子が描くまどか☆マギカや綾波レイが見られます。
「半魚児」高屋敷衣吹★★★★★ 『good!アフタヌーン』2015年8月号(講談社)
――母を亡くした津田万里子《つだまさこ》は、ある日、断崖の下で人魚を見つけた。人魚は「オカアサン」とつぶやき、万里子の手をつかむのだった。
四季賞2015夏、高橋ツトム審査員特別賞受賞。あらゆる点で規格外。絵の力とはこういうことをいうのでしょう。点描画のような濃い画面は、けれど煩雑ではなく、セリフが圧倒的に少ないのに、わかりやすく見やすくて、一見サブカル臭そうでありながら、ポピュラリティもありそうです。人魚を発見する場面、夢の場面、海に返す場面など、見るべき場面が幾つもありました。
『キン肉マン』51 ゆでたまご(集英社ジャンプコミックス)
なんとこの巻にはプロレスシーンがありません。悪魔超人および超人閻魔がそれぞれの立場を明らかにし、正義・悪魔・完璧超人の三つ巴の戦いが、例によって特設(?)リングでスタート――というところで次巻。しかしこうなってくると、ネメシスの場違い感・小物感がひどい。。。
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