『9 9番目の奇妙な人形』(9,2009,米)★★☆☆☆

 眠りから覚めた人形は、廃墟をさまよううち、同じ姿の仲間「2」と出会う。だが「2」はビーストから「9」を守るために犠牲になってしまう。やがて「9」は人形の隠れ家で、「1」をはじめとした人形たちと出会う。「9」は「2」と助けに行こうとするが、余計なことをするなと「1」に止められる。ビーストとは何者なのか、「1」は何か知っているようだったが……。

 CGアニメ。バカがつくほどの正義漢が世界を変えるという、ファミリー向けのコテコテのヒーローものでした。そうは言ってもゾイドみたいな姿のビーストとの戦闘シーンだけで充分に見応えがあるのだから、技術の進歩とはたいしたものです。骨組み剥き出しのゾイドターミネーターじみた巨大なマシンが、猛スピードで襲ってくるのには迫力がありました。

 でも……人形の大きさから考えると、マシンたちの大きさは犬くらい? リアルに考えると、人間が開発したにしては中途半端な大きさです。

 先のことを考えない好奇心や身勝手を非難されて、「もう誰も死なせない」という何一つ反省していない返事をしてしまう「9」には、失笑苦笑大爆笑してしまいました。ラストシーンでも「この世界は僕らが守る」と何の根拠もなくのたまいますし、ヒーローである自分に酔うのもたいがいにしてもらいたいものです。

 そもそもの世界設定がよくわからなかったのですが、科学者は人間の魂を人形に移転して、その後どうしたかったのでしょう? 科学者の記録映像を見るかぎりでは、マシンに人形の魂を移送して暴走を止めようとしているようにも思えたのですが、結局「9」たちはただマシンを壊しちゃいましたしね。人間が死んでも人間の魂だけは人形とともに生きてほしかった、ということなのかな。。。そして必死になってせっかく助けた仲間たちの魂がどうなったかというと、昇天しちゃいました……Σ(゚Д゚; 何がしたかったんだ……。肉体は死んでも魂は召されたという宗教くさい話なのかな。

  


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