『good!アフタヌーン』2017年6月号「シューゲイザー」イトウアキ、「ばっせん」金子亮介

シューゲイザー」イトウアキ
 ――田舎の山を走り回るのが好きな月葉。一人になりたい月葉は、女子からはむっとされ男子からはクールだと憧れられていた。笑顔で山を走っているところを転校生・春雪に見られ、トレイルランニングに誘われることになった。

 四季賞2017春のコンテスト鶴田謙二特別賞受賞作。シリアスなのかギャグなのか、転校生のキャラがつかめませんし、月葉の葛藤は終始描かれていましたが春雪の月葉に対する印象は唐突感がありましたし、もったいない作品でした。
 

「ばっせん」金子亮介
 ――バッティングセンターの待合室で煙草を吹かす中年男。そこに入り込んできた小さな女の子とバッティングをすることに……。

 ショート&ギャグオーディション第1回作品。ただの短い話です。コンテストの方針みたいなものもまったく伝わってきません。作品自体も感動させようとあらすじをなぞっているだけの(つまり短さを活かすのではなく仕方なくこの長さに収めただけの)気持ち悪い内容でした。
 

巨娘』29「肉野菜」木村紺
 ――野菜メニューを増やすため「江戸野菜」を探しに出かけたジョーさん。全国スーパーと契約している大型の屋内型農場を見学したが、劣悪な労働環境に周辺住民との諍い、おまけに肝心の味もいまいちだった。

 ジョーさんがわりとおとなしめの回です。畠雷太という、「はらたいら」と「働いた」を二重にもじった名前が妙におかしかったです。
 

『ツッコミーノ・ブルボン』8「ツッコミと母」富本祥太
 鬼豆さんに電話でツッコミを入れる娘を見て、引っ込み思案だった娘にも反抗期が来たのかと思い、親子げんかを期待してわくわくする母……というわけで、今回は鬼豆さんたちは登場せず、挽香子の家庭のお話です。いつもとはちょっとノリの違うボケとツッコミが見られます。
 

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