『ほうかご探偵隊』倉知淳(講談社ミステリーランド)★★★☆☆

 なぜか「探偵団」ではなく「探偵隊」ですが描かれているのは紛れもなく少年探偵団です。5年3組で起こった不要なもの連続消失事件の謎を、語り手の高時くんと同じく江戸川乱歩好きの龍之介くんと、ニワトリ失踪事件の当事者成見沢さんと学級委員長の吉野さんが探ります。

 この龍之介くんというのが探偵役で、犯人の目的は一つで他はフェイクだったのではないかと考えたり、なくなったものの共通点が何かを考えたり、となかなかの名探偵ぶり。

 しかも子ども向けとはいえ、真相はミステリを読み慣れた読者にも配慮したのか、ちょっとひねったものになっていました。わたしが子どもだったら、もっとストレートな謎解きものを読みたいと感じるとは思いますが。

 僕のクラスで連続消失事件が発生。僕は四番目の被害者に! といっても、なくなったのはもう授業でも使わないたて笛の一部。なぜこんなものが!? 棟方くんの絵、ニワトリ、巨大な招き猫型募金箱、そしてたて笛が一日おきに姿を消すという奇妙な事件が五年三組にだけ起こっている。ニワトリなんか密室からの消失だ。この不可思議な事件を解決してみないかと江戸川乱歩好きの龍之介くんに誘われ、僕らは探偵活動を始めることにした。僕がちょっと気になっている女子も加わり事件を調べていくのだが……。そこにニワトリ惨殺目撃証言が! 町内で起きた宝石泥棒との関連は? 龍之介くんの名推理がすべてを明らかにする!!(函あらすじ)

  


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