『おろしてください』有栖川有栖作/市川友章絵/東雅夫編(岩崎書店 怪談えほん12)★★★★☆

『おろしてください』有栖川有栖作/市川友章絵/東雅夫編(岩崎書店 怪談えほん12)

 有栖川有栖らしい鉄道怪談です。

 道に迷った少年が化物たちの世界に紛れ込んでしまうというオーソドックスな内容ながら、動物や怪物のイラストで知られる市川氏の絵が不気味な雰囲気を増幅させています。表紙なんてまるでポプラ社怪人二十面相シリーズのような懐かしさと怪しさです。

 大人の目で読むと「目の色の白と黒が反対」という細部にぞっとしますし、子どものころに読んでいたならラストにトラウマになっていたことでしょう。

 みちにまよったぼくは、ちいさな えきを みつけた。やってきた れっしゃに のりこんだ ぼくの目に、とびこんできたものは(帯あらすじ)

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