『探偵家族/冬の事件簿』マイクル・Z・リューイン(ポケミス1746)★★☆☆☆(★★★★☆)

 親子三代で探偵業を営むルンギー一家は超多忙。今日も美人の依頼人が駆け込んでくる。ポケベルを使って脅迫されているというが、数字しか表示できないポケベルでどうやって? 一家の次男アンジェロ夫婦の名推理が冴える(かも)。お洒落なブティックの店先を襲う謎の女性集団の事件あり、孫娘マリーも警察のご厄介になったりと事件の連続。そして一家のリーダー親爺さんは、発掘された白骨の謎という、本格的な殺人事件(ただし十年前の)に挑戦! ほのぼのと楽しい探偵一家のユーモアあふれる大活躍シリーズ第2弾。

 ミステリというよりホームコメディといった趣の、なんともコージーな作品です。いちおう謎もあるんですけどね。孫娘マリーと孫息子デイヴィッドの挿話の方が印象に残っちった。う〜ん、面白くはあったんですが、これじゃなきゃいや!というほど好きではなかったです。ホームコメディ・ドラマが好きな方にはおすすめですね。わたし自身どちらかといえば本で読むよりドラマ化されたら見てみたいな、と思いました。でなきゃもっとドタバタした感じの方が好き。成長物語的側面はよかったですが。そのほか長男が連れてきた女性とか、家庭的問題の方がメインだし、そっちの方が面白いです。それだけに、あーあの俳優のあの演技で見たいぞ、みたいなのを随所で感じました。基本的に原作の映画化・ドラマ化はまったく興味ないどころか毛嫌いしているのですが、本書は珍しくドラマ化を見てみたい作品です。

 ★二つというのは、面白くないという意味ではないんです。タイトルから勝手に家族版『退職刑事』あるいは家族版警察小説みたいなものを連想して期待していたので、何か違うぞ、と。ミステリじゃなくホームドラマだぞ、と。というわけでギアをミステリから切り替えて評価するなら★四つです。
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探偵家族 冬の事件簿
マイクル・Z.リューイン著 / 田口 俊樹訳
早川書房 (2004.1)
ISBN : 4150017468
価格 : ¥1,155
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