『被(マルヒ)警察24時』小田扉(マンサンコミックス)★★★★★

 某警察署に勤める赤山は、新米の黒川とコンビを組むベテラン刑事だ。刑事にとって大事なことは刑事っぽさだと信じている赤山は、犯人護送のときにも雰囲気作りに余念がない。そんなわけだから部下の黒川も藤蜂子(ミネフジコでもフジミネコでもない。フジハチコである)も落谷もいつまで経っても頼りないまま。頼りになるのは警察犬のホルモンだけ? 小田扉独特のギャグ満載の警察漫画。

 『団地ともお』でもそうだけれど、カバーや表紙でもサービスしてくれるのが小田扉。たった二コマでこの漫画と赤山刑事を表現してしまってる。

 ギャグマンガが途中からシリアスな展開になるってのは、少年漫画ではよくあるけれど、本書の後半シリアス化は初めからの計画だったのでしょうか……? シリアスといってもギャグもテイストも変わってはいないんですけどね。シリアスもギャグもどちらも面白いし。

 二色カラーの回では二話とも「赤」にこだわった話だったり、魚がなぜか川で溺れていたり、赤山が屋上のフェンスに腰掛けるという自殺行為で日記を読んでいたり、パフパッパー(もうやったー)だったりと、相変わらず微妙なディテールがおかしくて楽しい。デカ長だけなぜか水木しげるの漫画顔だしね。
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