★光文社古典新訳文庫[bk1・amazon]が創刊されました。難解というイメージのロシア文学や哲学が読みやすい訳で刊行されるのはありがたい。児童文学を子ども向けお伽話調で訳すのもやめたというのも期待できる試みです。
続刊タイトルを見ると『ジェイン・エア』や『グレート・ギャツビー』もあって、翻訳者(小尾芙佐・宮脇孝雄)を見るとどうやらこの二作をエンタメとして訳そうという試みらしい。『ギャツビー』はともかく『ジェイン・エア』の方は面白いアプローチだと思います。
バタイユとかゴーゴリみたいに過去の翻訳者が名訳者として知られている場合でもあっさりアップデート。『目玉の話』てのは『眼球譚』のことなんだろうな……。ゴーゴリは「志ん生の語りに倣った新訳」だそうです。うまくいったらおなぐさみ。小池滋訳『クリスマス・キャロル』は落語調ディケンズの名訳でしたが、その『クリスマス・キャロル』も新訳されるみたいです。
★「ヒットの予感」は爆笑問題『爆笑問題の戦争論』、川上弘美『ざらざら』、大森望・豊崎由美『文学賞メッタ斬り! リターンズ』。
●「トロ・リサーチ」は椅子について。
★「百年の誤読 舶来編 第16回」岡野宏文・豊崎由美
『キマイラ』ジョン・バース、『重力の虹』ピンチョン、『モモ』エンデ、『収容所群島』ソルジェニーツィン、『死父』バーセルミ。
●「ダーリンの頭ン中」連載再開。「じゃんけん古今東西」。
●「オン・ザ・ブリッジ」宮台真司。今回はアニメ版『時をかける少女』とアニメ版『ゲド戦記』。
●「シネマ・ダ・ヴィンチ」は『カポーティ』。おかげでカポーティ本が続々と文庫化されたけれど、映画は見ようとも思わない。
DVD紹介では『イーオン・フラックス』という映画の紹介文が面白かった。「前置きもなくガンガンに攻めてくるストーリー展開で、『細かいことは自分で考えろ!』というメッセージがほとばしる名作。」だそうです。
●「ミステリー・ダ・ヴィンチ」は新本格の生みの親宇山日出臣。笠井潔・北村薫・島田荘司・戸川安宣・山口雅也・有栖川有栖・法月綸太郎・綾辻行人からのメッセージ掲載。
★「文豪怪談傑作選シリーズ刊行記念対談」金井田英津子×東雅夫
●「コミック・ダ・ヴィンチ」は『ストロベリーショートケイクス』魚喃キリコ・狗飼恭子インタビュー。
魚喃さんの絵は、四角いコマに絵を描くのではなくて、白く四角い空間をペンで切り取っている感じがしてすごく好きだ。
★「この本にひとめ惚れ」は『板尾日記』。板尾創路インタビューもある。板尾が「うちの嫁」と言うと『ガキの使い』を連想してしまってそれだけでおかしい。