『ヴェルサイユの影』クリステル・モーラン/野口雄司訳(ポケミス1796)★☆☆☆☆

 『L'ombre du soleil』Christelle Maulin,2005年。

 『悪魔のヴァイオリン』に引き続いての〈パリ警視庁賞〉受賞作だが、ダメだろ、これは……。出来から言えば、やる気のない2時間サスペンス・レベル。

 まず文章が下手っぴい。文法の教科書のような台詞をしゃべる登場人物たち。地の文で解説される登場人物の心理状態。丁寧だが盛り上がらない。

 ミステリとしては……ダメなところしかない_| ̄|○。。。警察小説としても厚みがないし(キャラが弱い! 熱意がない! 上司や同僚とのしがらみが取って付け!)、謎解きミステリとしても問題外だし(これはもう問題外としか……)、歴史ミステリとしてもわけわからんちんだし(ヴェルサイユを描きたかっただけなんだね)、サイコものとしても深みがないし(絵に描いたようなプロファイリング( ´,_ゝ`))。

 受賞したときの選考委員コメントみたいなのはないのかな。なぜこれを選んだのか知りたい。

 かつては太陽王が君臨し、多くの廷臣が群れ、貴族が集ったヴェルサイユ宮殿。灰色の雨が降り、霧のヴェールがあたりを濡らす朝、宮殿庭園の中央を見た警備員は目を疑った。そこには長い髪を地面に広げ、黒の衣服をつけた細身の女性の身体が横たわっていた。額には銃弾が穿った穴が……現在は観光客に公開されているとはいえ、とりわけ夜間は厳重な警備がなされているはずの宮殿に、なぜ他殺死体が? ヴェルサイユ司法警察のボーモン警視は宮殿職員の尋問を開始する。だが彼を嘲笑うかのように、第二、第三の死体が! パリ警視庁賞受賞の力作。(裏表紙あらすじより)
 -----------

 
  オンライン書店bk1で詳細を見る。
 amazon.co.jp amazon.co.jp で詳細を見る。


防犯カメラ