今回は残念なことに、実話怪談および作家志望者向けの特集だった。あろうことか高原英理の連載までもが実話怪談の比重がいつもより大きい。実話怪談が苦手であり作家になる気もない人間にはしょんぼりな号だった。
夢枕獏の対談と南條竹則の対談が救いです。しかしおっさん二人の写真がものすごく楽しそうなんだけど。いいのか(^^;。
「ラピスラズリ幻想」山白朝子
輪廻転生(?)物語の主役の名前を、それも冒頭第一文字目に「輪」と記すあたりに、自信と挑戦心が窺えます。
「風吹けば薔薇園のバラみな揺れて一つ異形の我を囲めり」小島ゆかり
「黒き人何か口籠り指さしぬ果物店《みせ》の影明るきに」中島敦
「亡き父のマントの裾にかくまはれ歩みきいつの雪の夜ならむ」大西民子
「怪談考古学」は「鳥」
あさのあつこ氏が紹介していた高橋葉介「新しい人形」が、今の作風よりもストレートでよかった。
「スポットライトは焼酎火 第9回 榎村寛之」
『幽』009